2018年7月2日月曜日

MIM成形材を使った3D積層装置を考える

金属粉末を使った積層装置はいろいろあるが「粉体」ではなく、
練った材料フィードストック(MIM成形材料)を使ったものは現在2種ある。
それは、「Desktop Metal」と「The Metal X」だ。 
売りは2つ
①安価 Arcamが1億円なので これらはたぶん10分の1
②ユーザーは粉体を使わないので環境面・安全面で優位

どちらも根っこは同じで商品開発段階で分裂したようだ。
どちらも、棒状(フィラメント)のMIM成形材料をFDM(熱溶解積層)法で積み上げ
MIM工法と同様に、脱脂+焼結を行う方式である。

しいて違いをみつければ、、「Desktop Metal」のフィラメントは、20cm程度の線香状(かなり太い)の束を使うのに対して、「The Metal X」のフィラメントは、長い巻き線になっている。(聞いた話で観ていませんが、MIMフィラメントは、曲げると折れるので巻き線にするには、軟化点温度で恒温保持が必要になるはず・・いまいちな構造かも?)

私も遊びで「MIMでフィラメントを作って」市販の安価な積層装置に挿入して実験したことがある。しかし、フィラメントを送る機構がギヤのため、フィラメントが削られて材料が正確に押し出せないことと、ノズルから出た材料が積層される前に固化して細い麺ができるだけでした。余熱や保温などが必要であることがわかりましたが、研究資金も無く断念しました、あきらめないで続けていれば・・・・・なんて考えながら、これら新商品の動向を観ています。

見本市で積層サンプル「Desktop Metal」を見ました。密度が甘そうですが、すばらしい造形能力です。MIMでできない造形美、さすが3D積層技術!!

ちなみに「The Metal X」は、 山形県が購入しており(国内初)、5月より試動開始したらしい。落ち着いたら山形大学へ見に行こうと思ってます。