2020年5月26日火曜日

樹脂は混ざらない VS リサイクル

【今回すべて珈琲ブレイ句】
 混錬実験で厄介なのはレシピにPOMを使うときである。とにかくヤンキーで他の材料との相性が悪い、なかなか混ざらないのである。BASFのMIM材は、POMに10%のPEで構成されていることもあり、確かにこの組み合わせは多少良かった。これは相溶性の問題という事らしい。相溶化剤なるものを発明すれば混ざるらしい。

 そういえば、「ペットボトルのリサイクル」はどうしているのであろうか、キャップ(PE)は外しても、本体容器(PET)の首にはPEの輪が残っている。そんな疑問を海外のYouTubeが答えてくれた。

 リサイクルの手順は次の通り・・・・・
①細かく粉砕する
②水で洗う
③水中で分離させる
④PET片だけを集めて、繊維に加工する
 繊維になれば、綿や布が作れる。

 同じプラスチックといってもPETとPEは分ける必要があるということである。混ぜても工業的に利用できる良い材料にはならないのでしょう。ここで、感心したこと。PEとPETを分けている方法に密度の差を利用しているところ。PETは水より重たい(1.38g/cc)、一方PEは水より軽い(LD0.91、HD0.95g/cc)、PE片は水面に浮くので分離できるのです。

2020年5月6日水曜日

臨界粉末密度に近づくタップ密度測定

 MIMフィードストックのバインダー量を設計するためには、臨界粉末量CSL(Critical Solid Lording)を求める必要がある。さらに、技術的に発展させるためには、その粉末の「臨界粉末密度」を知る必要がある。
 しかし、臨界粉末密度を知る方法を私は知らない。ラバー容器にいれた粉末をCIPで加圧すれば3次元等方加圧なので臨界粉末密度に近くなるかもしれないが、現実的ではない。・・・そこで現場で実際に代用しているのは「タップ密度測定」である。しかし、この測定にはいくつか欠点がある。

《欠点》
・タッピングは上下方向運動で行われ、三次元ではない。
・ヤンセンの式によれば、粉末に掛かる底部の圧力は高さに比例せず、ある高さ以上になると飽和する。(粉末密度は傾斜している)
・また、容器の壁との摩擦力に大きく依存する。
・さらに、容器水平方向に大きな力が発生する。
・粉末メーカーが使用しているタップ装置やタップ条件が異なるため統一された「ものさし」になっていない。
・それは、JIS  Z2512 金属粉タップ密度測定法の条件と大きく異なっている。JISではタップストローク3mmとなっており、トホホである。
・JISでは、容器はガラスおよび樹脂としているが、樹脂だとすぐに曇りメモリが読めなくなる。

《それじゃ、どうするの:勝手に標準》
・タップストロークは40mmとする
・容器は硬質ガラスあるいは金属(ステンレス)で内面の表面あらさを向上させる
・一度に測る容積を40cc程度にする(鉄系粉末だと200gくらい)
・内径は30mm以上とする
・できれば、二段式直列の2倍の高さの粉末容量にして、測定には下段の容器を切り離し正確に摺り切った後、容器と粉末重量を測定する。メモリを読まない。定格容量の粉末重量でタップ密度を計算する。


 《日曜MIM知るINDEX》