しかし、臨界粉末密度を知る方法を私は知らない。ラバー容器にいれた粉末をCIPで加圧すれば3次元等方加圧なので臨界粉末密度に近くなるかもしれないが、現実的ではない。・・・そこで現場で実際に代用しているのは「タップ密度測定」である。しかし、この測定にはいくつか欠点がある。
《欠点》
・タッピングは上下方向運動で行われ、三次元ではない。
・ヤンセンの式によれば、粉末に掛かる底部の圧力は高さに比例せず、ある高さ以上になると飽和する。(粉末密度は傾斜している)
・また、容器の壁との摩擦力に大きく依存する。
・さらに、容器水平方向に大きな力が発生する。
・粉末メーカーが使用しているタップ装置やタップ条件が異なるため統一された「ものさし」になっていない。
・それは、JIS Z2512 金属粉タップ密度測定法の条件と大きく異なっている。JISではタップストローク3mmとなっており、トホホである。
・JISでは、容器はガラスおよび樹脂としているが、樹脂だとすぐに曇りメモリが読めなくなる。
《それじゃ、どうするの:勝手に標準》
・タップストロークは40mmとする
・容器は硬質ガラスあるいは金属(ステンレス)で内面の表面あらさを向上させる
・一度に測る容積を40cc程度にする(鉄系粉末だと200gくらい)
・内径は30mm以上とする
・できれば、二段式直列の2倍の高さの粉末容量にして、測定には下段の容器を切り離し正確に摺り切った後、容器と粉末重量を測定する。メモリを読まない。定格容量の粉末重量でタップ密度を計算する。