田口メソッドを用いたマイクロ金属射出成形における成形体強度を特性値とする射出成形のパラメータ設計より
Single Performance Optimization of Micro Metal Injection Molding for the Highest Green Strength by Using Taguchi Method 、Vol. 2 No. 1 (2010) International Journal of Integrated Engineering
《実験仕様》
直交表:L27 3水準系
粉末:Epson Atomix SS316L-PF10F(TD:4.06g/cm3、D50:5.96μm)
バインダー(PMMA,PEG,SA:25,73,2)。
粉末配合:61.5vol%、
テストピース:ダンベル型(外寸9×1.1×t0.8mm)、サイドゲートt0.32mm
特性値、成形体の強度(MPa)、反復5、膨大特性のSN比に変換して分析
《制御因子と水準》
《結果》
コメント:
有意な制御因子は、A、C、A×B
【珈琲ブレイ句】初めにあれ?と感じたのは、タップ密度が低いこと(TD:4.06g/cm3)、2014年のメーカー発表データでは4.5g/cm3ですから相当低いのです。2010年頃の粉末品質が良くないのか、タッピング密度の測定方法が旧式で悪かったのか? どちらかですね。
本実験からわかることは、成形体の強度を高くするためには、「金型温度は高い方がよい」ということです。 金型温度は実験水準内の外、さらに高い方向に最適解があることがわかります。追加実験と確認実験は必要ですね。
射出圧力Aと射出温度Bとの間に交互作用が発生しています。その理由を2つ考えてみました。 ①フィードストックの成分に潤滑材が少ない。SAを増やす、PWを付加する。②マイクロMIMの実験ということですが、粉末は普通のMIMに使用するPF10Fです。そのため小さなゲート近傍で金属粉末とバインダーが分離している可能性があります。マイクロMIMであれば、PF5くらいの微細粉末を使ったら結果が変わっていたかもしれません。
『これから、直交表を使った実験を始める方にアドバイス』
タグチメソッドは交互作用の研究は行わないので、交互作用を全列に交絡させたL18直交表を使うようにしてください。また、分散分析も不要です。昔、田口先生が「分散分析など難しくするから現場が使わないんだ」と仰っていました。要因効果図を描いて最大値の水準を選び確認実験を行って再現性があればOKです。技術の現場は「Why」より「How」を優先させて、スピーディに差別化するところです。