近年のMIMに関するタグチメソッドの事例を共有します。
《表題》田口メソッドを用いた金属射出成形プロセスのパラメータ最適化
《実験仕様》
制御因子:4因子(射出温度A、金型温度B、射出圧力C、流量D)Table1
直交表 L81
特性値:2つ(成形体欠陥Table2、成形体密度)
バインダー:PEG,PMMA,SA
粉末、粉末量:水アトマイズSUS316L、62Vol%
《結果》
成形欠陥に対する最適条件は、射出温度:150℃、金型温度:70℃、射出圧力:550bar、流量:15cm³/s(A1B2C0D1)
成形密度に対する最適条件は、射出温度:160℃、金型温度:70℃、射出圧力:650bar、流量:10cm³/s(A2B2C1D0)
【珈琲ブレイ句】この事例はL81という巨大な直交表を使い、4つの因子のすべての交互作用を研究している意欲的な実験です。成形体の欠陥と密度を特性値として、各々の最適条件を示しています。 交互作用の影響を考慮して選んだと思われますが最適値の選定には疑問があり、私ならA3(射出温度160℃、B3(金型温度70℃)を選びます。
さらに「はてな?」なのは、成形体の欠陥の重み付けScore(表2)です。この欠陥の重みの技術的根拠が知りたいところです。
残念なのは、表題に「 Using Taguchi Method」とありますが、この事例は実験計画法とタグチメソッド(品質工学)が混在していることです。品質工学では交互作用の研究は行いません。 MIMの製造現場では、実用的で再現性のあるベターな最適条件が必要なので、タグチメソッド(品質工学)で開発された混合系直交表L18が広く使われています。
いずれにしても、たいへん勉強になる論文です。
D2179


