古い論文ですが共有化します。アトマイズ製法が異なるガスアトマイズ粉末と水アトマイズ粉末を二峰分布配合した研究開発です。
開発の目的:焼結が難しい工具鋼SKD11のロバスト性能向上。フルチャージ焼結の品質バラツキを最小化させる。品質:寸法、密度、硬度
《粉末》 水アトマイズ2種とガスアトマイズ1種の配合比研究
《結果》《結論》
【MIM技術伝道士の深すぎるブログ from 2017】
古い論文ですが共有化します。アトマイズ製法が異なるガスアトマイズ粉末と水アトマイズ粉末を二峰分布配合した研究開発です。
開発の目的:焼結が難しい工具鋼SKD11のロバスト性能向上。フルチャージ焼結の品質バラツキを最小化させる。品質:寸法、密度、硬度
《粉末》 水アトマイズ2種とガスアトマイズ1種の配合比研究
《結果》タグチメソッド関係の論文を共有します。
3水準系 L27直行表を使い、グリーン体の3つの特性値(曲げ強度、外観品質、密度)、6つの制御因子(射出圧力、射出温度、粉末充填率、金型温度、保圧、射出速度)のパラメータ設計です。
表題にあるように、この論文の特徴は、MADM手法(多属性意思決定手法)により、3つの特性値を相関係数等を用いた評価により単一の「総合品質スコア(OQS)」に変換しているところです。変換法としてはSAW(Simple Additive Weighting)法が最も適していると判断されています。その結果、3つの特性値の重み付けは、曲げ強度35.7%、外観品質32.2%、密度32.1%とほぼ均等なっています。
【条件】MIMフィードストック:GA-SUS316L、ポリエチレングリコール73 wt%、ポリメタクリレート25 wt%、ステアリン酸2 wt%
【結果】制御因子の水準と最適値は次の通り。
一般的にPOMのコポリマー(ジュラコン)は、ホモ(デルリン)より成形性は良いのですが、PPやHDPEと比較すると相対的に成形性が良くありません。しかし、PIM専用のFF520はその成形性(流動性)の課題を解決しています。さらに、グリーン体強度とのバランスも考えて開発されていることがわかります。流動性と靭性の散布図を描いてみました。
【珈琲ブレイ句】PIMバインダーとして使用するPOMは、成形を容易にするために粘度は可能な限り低くしMFRを高め、焼結前の成形品の損傷を防ぐために靭性(シャルピー衝撃強度)は可能な限り高くする必要があります。FF520は、MIM結合材で使われるPPやHDPEより靭性と流動性が高いのです。
POMの一次脱脂は触媒脱脂が主流ですが、カタログでは加熱脱脂(500℃,5℃/min,N2,残渣ゼロ)も可能と書いてあります。(注意:加熱脱脂では、実際のPIM脱脂焼結品での検証は必要だと感じています。)BASF系の触媒脱脂用MIMフィードストックであれば、どんどん展開できますね。
◆開発のポイントを推察する◆
①ギリギリまで低分子化:低分子にすれば流動性は向上します。一方強度は低下するので、PPとHDPEを目標ターゲットにして低分子量成分をギリギリまで増やしている。
②分子量分布のナロー化:さらに、全体の分子量分布をシャープ(ナロー)に制御することで、高い流動性を確保しつつ、強度を支える「絡み合い」に必要な最低限の分子鎖を維持している。
③ホルムアルデヒド対策:流動性が高いので低温で混錬し熱の影響を最小化する。酸化防止剤で安定化させるが、高せん断による局所的高温部で発生するホルムアルデヒドは、捕捉剤(ホルムアルデヒド・スカベンジャー)で化学的に吸着させる。
推察が間違っていたらごめんなさい。
それにしても旭化成ケミカルズの開発力は凄いです!! 頑張れ日本!!
D1525,D1349,D2182,D2188