2026年10月19日月曜日

【MIM指南書(増補・セルフ)】3.2.3 残留炭素量の調整配合設計法 注意事項・補足

 『3.2.3 残留炭素量の調整配合設計法の注意事項』が説明不足だったと反省し、「加熱脱脂+真空焼結」における焼結体の残留炭素量を規格範囲に入れるために考慮すべき管理項目をまとめました。「補足」として加えます。A5で印刷して、MIM指南書のP64とP65の間に挟んでください。

大気加熱脱脂(ウイテック法等)は、MIMの基本技術ですが、C%管理にはかなり技術力が必要なのです。

関連BLOG:焼結中の炭素と酸素の還元反応






2026年10月15日木曜日

超合金のゲルキャスティングを学ぶ

 粉末:ニッケル基超合金(Ni-362-3、Praxair社製)325メッシュ

ゲル形成成分:MAM(メタクリルアミド),NVP(N-ビニルピロリドン),架橋剤としてMBAM (N,N'-Methylenebisacrylamide) 

サスペンション(懸濁液)配合比:MAM:NVP:MBAM:水=8.57:8.57:2.86:20 (wt%)

Actual Solid Loading「実体積比率」:ニッケル基超合金粉末=55.5VOL%(91.73wt%)

注型・固化:サスペンションにAPSと重合開始剤を微量添加して樹脂型へ流し込む。55℃×30分で固化させ成形体を樹脂型から取り出す。

APS(過硫酸アンモニウム / Ammonium Persulfate): 重合開始剤、TEMED(テトラメチルエチレンジアミン / Tetramethylethylenediamine): 促進剤(触媒・活性化剤)

加熱脱脂:室温~600℃×13H+600℃×1H+~室温×約3H

仮焼結:タングステン発熱体炉、Ar-4% H2 雰囲気、室温〜900°C×3H+900℃×1H+900~995℃×0.5H+995℃×1H+~室温×約3H

焼結密度:相対密度約90%

参考文献:Gelcasting of superalloy powders(Oak Ridge National Laboratory  )FEB 05 1996

【珈琲ブレイ句】GCは、密度が小さく微細なセラミック粉末で実用化されていますが、密度が高く粒度の大きな金属粉末で採用している事例はまだ少数です。金属粉末を用いるゲルキャスティング(GC)は、MIMメーカーがマスターすべき技術ではないでしょうか。樹脂型を準備*1できれば、粉末冶金による小ロットの試作、特に大型部品で大きなビジネスの可能性を秘めています。

この論文では、密度の大きな超合金によるGCです。サスペンションの粘度を高めにして粉末の沈殿を遅らせています。

研究における焼結は、995℃で終わらせていますが、炉の最高温度による制限でしょうか?本焼結であれば1300℃まで上げる必要がありそうです。

また、論文では粉末量60VOL%とありますが、これはNominal Solid Loadingで、粉体およびバインダ液の密度を8.908g/cm3、1.0g/cm3として計算すると、Actual Solid Loading「実体積比率」は55.5VOL%になります。

N2253


*1関連BLOG ゲルキャスティングを深堀する

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2026年10月10日土曜日

MIMへのガラスビーズは射出圧力に注意が必要

 【珈琲ブレイ句】焼結でMIMの表面に着いたコンタミを除去する目的でガラスビーズ・ショットブラスト(ホーニング)を掛けるときには射出圧の上げすぎに注意が必要です。

 SUS316LのMIMに対してガラスビーズ#220を投射した実験を共有しておきます。射出圧力が5kg/cm2のときは、表面あらさの劣化が時間と共に増加していきます。一方、低圧3Kg/cm2に下げるとRmax8μmで一定になっていることがわかります。


関連BLOG: MIMのガラスビーズによる表面あらさについて