【珈琲ブレイ句】技術コンサルタントがネガティブに感じた事例の5回目です。あるMIMメーカーで行ったMIM講習会の質疑応答で感じたことを共有します。良い悪いの話ではなく個人的な感想です。
《状況》
その会社は、金型から社内製造している樹脂成形の一流専門メーカーです。新設された「MIM製造課」の成形工程は、高い技術力と実績を持つ既存の「成形課」へ委託される形で進んでいました。
《質疑の内容》
成形課の担当者から「MIMフィードストックの成形性が非常に悪い。何とか改善できないのか?」という質問を受けました。ここに、MIMの初工程から出荷までを単一の組織で一貫して管理しない場合に発生する、部門間対立(セクショナリズム)を感じました。
樹脂成形で確固たる技術と実績を築いてきた彼らからすれば、当然の疑問です。MIM製品の品質は成形体の出来栄えで決まるため、射出成形が困難な材料は勘弁してほしいといった雰囲気でした。工程が分断されると、どうしても品質に対する責任の所在が曖昧になってしまいます。
しかし、私はあえてこう回答しました。「その通りです。MIMの成形は樹脂に比べて格段に難しいのです。特に高精度MIMを目指す場合、CSL(臨界粉末充填量)の限界付近を攻める必要があるため、射出成形は驚異的に難しくなります。樹脂成形では不良とされるジェッティングが、MIMでは必ず発生するためです。」
【珈琲ブレイ句】この事例の他に、プラスチック成形がメインで、MIMの脱脂焼結を別会社に依頼する会社があります。他人事ながら品質管理をどうやっているのか心配になります。やはり、MIMメーカーとして、企画、営業、MIMフィードストック製造から出荷までの垂直統合が百人力であると強く感じた出来事でした。