2026年10月27日火曜日

超音速ガスアトマイズ法について

超音速のガスを使ったガスアトマイズ法を図にしました。


 【珈琲ブレイ句】「超音速不足膨張噴流」という聞き慣れない言葉が出てきました。高圧のガスがノズル内で圧縮され、ノズルを出ることで急激に膨張するため、その超音速噴流には複雑な力が発生します。

例えば、超音速「マッハ」で飛行するジェット機の衝撃波と同じような樽状衝撃波(バレルショック)が発生しています。

従来のガスアトマイズ粉末より、奇麗な球体で、分布も微細方向に製造できるようです。

この製法によるステライト6粉末(平均粒径:8.36 µm、タップ密度が 4.90 g/cm^3)を使った高精度MIMの開発事例があります。それは、粉末量を66.9 vol%という限界近傍まで高めたフィードストックにチャレンジしたものです。(Stellite 6、密度8.79g/cm^3、融点1330℃)

大きな問題ではないと思いますが、粉末の内部には、気泡が残ることがあり、アトマイズ製造条件の研究で改善できるようです。例えば、不活性ガスに還元ガス(水素)を混ぜると、気泡が減るという報告もあります。

参考:金属射出成形プロセスにより作製したステライト6合金の組織および機械的性質に及ぼす焼結条件の影響、遠藤 栄治1))、中山 英樹1)、坂村 勝2)、1 キャステム株式会社 、2 広島県立総合技術研究所 

参考:ガスアトマイズ金属粉末粒子内部の気孔形態の直接観察と形成過程の解明、東北大学金属材料研究所・吉年規治

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2026年10月25日日曜日

MIM相当の精密積層部品(PureForm™)

近年、米国Greene Group Industries(GGI)は、従来のMIM/CIMに独自の高精度金属AMを加え、高精度部品の受託製造で米国市場をリードするサプライヤーになっています。

その高精度金属AMとは、2024年に買収したHolo社の高精度金属3Dプリント技術(PureForm™テクノロジー)です。この技術について概要を共有します。 

《方式》DLP方式、液槽内の金属粉末(MIM用の微粉末)と光硬化性樹脂バインダー(フォトポリマー)を混合したスラリーに対して、下面光源により層ごとに露光して立体形状(グリーン体)を高速造形する方式。その後、通常のMIMと同じ焼結炉で脱脂・焼結する。

ことば:DLP(Direct Light Processing / Digital Light Processing)、VPP(Vat Photopolymerization)



参考: PIM International 2024夏号 Vol.18 No.2 P106 図24より

 

《最小分解能》0.1mm  《造形精度》±0.05mm  

《表面粗さ》:Ra1.5μm  《収縮率》18~20%  

《粉末配合量》55~60vol%

 【珈琲ブレイ句】GGIではPureForm™を、MIM相当の精密積層部品(Precision MIM-like parts)と呼んでいます。その通り、精度・表面粗さはMIMのレベルに達しています。スラリーの粉末配合量55~60vol%という数字が、それを裏付けています。 液槽光重合方式の金属AM(Sinter based Metal AM)の中で、精度はトップクラスで間違いないですね。 

2026年10月19日月曜日

【MIM指南書(増補・セルフ)】3.2.3 残留炭素量の調整配合設計法 注意事項・補足

 『3.2.3 残留炭素量の調整配合設計法の注意事項』が説明不足だったと反省し、「加熱脱脂+真空焼結」における焼結体の残留炭素量を規格範囲に入れるために考慮すべき管理項目をまとめました。「補足」として加えます。A5で印刷して、MIM指南書のP64とP65の間に挟んでください。

大気加熱脱脂(ウイテック法等)は、MIMの基本技術ですが、C%管理にはかなり技術力が必要なのです。

関連BLOG:焼結中の炭素と酸素の還元反応