熱処理炉の温度を測定する熱履歴センサーとして「TempTAB Orton社」があります。焼結後の寸法を測定することで、焼結温度を測る物差しです。
MIM焼結での採用実績があるというので調べてみました。
MIMの代表的な焼結温度である 1,250℃〜1,400℃ の 「TempTAB 650」 によるデータは次の通りです。条件は、大気雰囲気、昇温5℃/min" 、ピーク温度保持時間120分の標準マスターデータの一例です。センサーの製造ロット毎に専用換算表が付属しています。
ここで、MIMの焼結条件(Ar,N2,H2など)に変えた場合の換算表は、Orton社から提供されません。この大気雰囲気のデータを補正して使います。その補正量(ズレ量)を次の通りです。
N2窒素雰囲気は、大気雰囲気の換算表がそのまま使えて、アルゴン雰囲気では2℃、水素100%雰囲気では16℃の補正が必要であることがわかります。
【珈琲ブレイ句】昔、熱履歴センサーとしてリファサーモを使って、MIM焼結条件における特性を実験で調べたことがあります。予想通り、付属の換算表はそのまま使えませんでした。また、単純な一次関数ではありませんでした。
《提案》実際にMIM焼結で熱履歴センサーを使う場合は、信頼性が確保された焼結炉を使って実験データを集め、散布図から多項式を求めることをお勧めします。最高温度保持時間、導入ガス流量を標示因子として現状のMIM焼結条件に合わせる必要があります。
《ことば》ここでは、「熱履歴センサー」という語彙を使いました。MIM指南書P152では「相対温度計」を使っています。これは、管理図に使うことを目的として、焼結ロット毎の温度の変化を相対的に把握するための温度計という意味です。また、熱履歴センサーというのは、Process Temperature Indicatorの意訳です。 MIM指南書P153 図4.35に Qサーモによる管理図を使った改善例を載せています。