2021年5月25日火曜日

日本のMIM屋さんがAMマシンを売り出す

「 日本のMIM屋さん(μMIMの太盛さん)がAMマシンを売り出す(技術提携・代理店:2021/6)」と発表されています。そのAMマシンの機構は「光重合方式LMM」で、このブログでも紹介したIncusです。 なるほど、マイクロMIM製品を指向するなら光重合が良いという判断ですね。同感です。 「AMからようこそMIMへ」の流れは本物ですね。がんばってほしい。 

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2021年5月7日金曜日

MIM-Like AMが精度でMIMを絶対に越えられない理由

 転写とは金型形状を成形品に写し取ることである。拡大解釈すると設計データ通りに製品を造ることであり、NCデータによる機械加工で金型を削り出すことも転写である(これを転写1とする)。プラスチック成形品は、NCデータから金型をつくり、その金型を使って射出成形するので転写の回数は2回である(転写2)。このように、各種素形材の転写回数をまとめると次の通りになる。順番は精度順である。

1位 金型(転写1回) 2位 プラスチック成形品(転写2回) 3位 MIM焼結品(転写2回) 4位 ロストワックス精密鋳造(転写4回)5位 MIM-Like AM:MIM用金属粉末利用AM:バインダージェット、FDM、FFF(転写1回)

転写する回数が多くなれば、当然精度が落ちていく・・はずである。しかし、残念ながら転写が1回のAMが精度では最下位である。その原因はなにか、なぜ精度を高くできないのか原因・課題を考察した。

理由は4つ 焼結収縮問題:金属粉末の大きさに精度が支配される10~30μm、粉体流動性に支配される、フィラメント流動性(バインダ量過多)に支配される バインダー滴の大きさ、FDM(FFF)ではノズル径に支配される 積層ピッチ(解像度)に支配される、50μm 品質とコストバランス問題:精度を上げるために解像度を上げるとその3乗に比例して造形時間が掛かる。造形品1個に掛けられる時間は要求コストに支配される

【珈琲ブレイ句】上記理由で、MIM-Like AMことMIM用金属粉末利用3Dプリンターは、MIMの精度には絶対に勝てないのです。しかし、MIM-Like AMは、MIMより遙かに優れているところも多く「超短納期」「超造形自由度」は天下一品です。さらに、AM技術は転写が1回なので技術的には高精度化できる可能性を内在しています。サブミクロンやナノ粉末でミクロ寸法の部品を創る世界であれば、AM技術が有利で独占できる可能性が高い、特に光重合積層はマイクロ部品造形でトップになれると感じます。

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2021年5月3日月曜日

NREから見るMIMとMIM-Like AM

最近目にするようになった言葉 NREとは「Non-Recurring Engineering costs:新規の部品を創るために必要な開発費」のことである。製品開発の肝は、垂直立ち上げとこのNREが小さいことである。MIMとAMをQCDで比較した報告を、バインダージェット方式のHP-Metal-Jetが出している。

Q品質◆長所:機械的性質はほぼ同等、アンダーカットなど複雑な形状ができる。短所:精度が悪い±3% 表面あらさが悪い、積層ピッチ50μm。C価格◆MIMと同じ価格は可能(生産量8万個以下の時)固定費(金型等)300~1000万円省略できる  D納期◆数日で部品ができる。一方MIMは最大6ヶ月掛かる

【珈琲ブレイ句】ツッコミを入れると、数社*1ですが・・国内MIMメーカーは最短2週間で初品を納入してくれるところがあります。試作金型であれば10~30万円で提供しているところもあります。MIMで試作の敷居は低いのです。ただ、やっぱり開発初期の実装試作のトライアンドエラーに対応するにはMIM-Like AMが便利ですね。さらに自社にAMシステムがあれば、気軽に試作ができるので開発者にとっては天国です。「AMからようこそMIMへ」 開発初期はAMで、仕様がある程度固まったら、金型転写のMIMへ移行する。この流れが自然だと再認識するのです。

*1 この2社が最近4/9、業務提携(J+C)しています! がんばれ!!

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