2026年6月26日金曜日

BASFが触媒脱脂の困難を普通に変えたこと

 【珈琲ブレイ句】MIMのバインダー脱脂方法は、これまで世界の研究者・技術者によって様々なアプローチが試みられてきました。

物理的除去法(溶媒抽出脱脂、超臨界流体脱脂)、化学的除去法(触媒分解脱脂、雰囲気ガス反応脱脂)、熱的除去法(加熱熱分解脱脂、ウイッキング法)、電気・電磁的除去法(マイクロ波加熱脱脂)、生物学的除去法(バイオ分解脱脂)などが挙げられますが、量産技術として確立したものは僅かです。

黎明期の量産MIMにおいては、パーマテック法(Permatech)に代表される溶媒脱脂と、ウイテック法(Wiech)に代表される加熱脱脂が主流であり、これらは現在でも広く普及しています。また当時は、アルミナ粉末にグリーン体を埋め込んでバインダーを吸い出すウイッキング法も、一部の量産ラインで採用されていました。

その後、独BASF社からポリアセタール(POM)樹脂をベースとした触媒脱脂法が登場します。高分子樹脂を酸触媒によって固体から直接ガス化させるという奇抜なアイデアには、当時とても衝撃を受けたことを覚えています。ワックス類をほとんど含まないフィードストックゆえに射出成形が困難(金型温度100℃超え)であり、決して主流にはならないだろうと考えていました。

しかし、BASF社は「MIMスクール」を立ち上げて世界中の若い技術者にノウハウを伝授し、「困難を普通に変換させる」ことに成功しました。その結果、BASFの高精度MIM製法は瞬く間に世界へと広がりました。同社の経営・技術戦略には、まさに脱帽するほかありません。

さらに近年では、日本の樹脂メーカーが流動性を大幅に改善したMIM用のPOM樹脂を開発しており、さらなる追い風となっています。

2026年6月23日火曜日

【MIM指南書(増補・セルフ)】5.25バインダーの分離 の追加

  【MIM指南書(増補・セルフ)】 5.25 バインダーの分離 の追加

P157 「第5章 MIM不良24種の原因と対策」の「表5.1MIM不良一覧」へ「5.25 バインダーの分離 」を追加し、MIM不良25種へ 変更してください。

下のページを印刷して、P184とP185の間に挟んでください。。


【珈琲ブレイ句】日本のMIMメーカーによる改善事例の発表で知ったMIM不良です。バインダーが分離・偏析してポーラス状の不良になるという内容で、初めて知った不良でした。この事例をきっかけに、「分離・偏析による不良」を調査しそれらの原因と対策をまとめました。

この事例の対策は、製造条件では解決せず、最終的にバインダーの仕様を変更されていました(仕様の詳細は不明)。結局、最初のレシピの選定が重要だということです。

基本のMIMバインダー仕様は、MIM指南書P57の表3.3にまとめています。

2026年6月22日月曜日

【MIM指南書(増補・セルフ)】誤記訂正

 【MIM指南書(増補・セルフ)】 表4.6内の誤記訂正をお願いします。


P154 4.5 熱処理・表面処理の実際 表4.6 MIM部品の熱処理表面処理

誤: 黒染・黒色参加

正: 黒染・黒色酸化


【珈琲ブレイ句】MIM製SKD11(ダイス鋼)の黒染め処理で黒色にならず初品がNGになったことがあります。原因は大量のCrによる表面の不動態皮膜(酸化クロム)に阻害されて鉄の酸化反応が正常に進まなくなった可能性があります。仮説を検証をする時間が無かったのでレイデント処理に変更しで黒色に仕上げました。


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2026年6月21日日曜日

市販MIMフィードストックの拡大率と推定バインダー量

市販されているMIMフィードストックの拡大率(伸び尺)をまとめたので共有します。D2219


 【珈琲ブレイ句】
ドイツのPoly-MIM社は、すべてのお客様のニーズに対応すべく、多様な拡大率(伸び尺)を用意しています。全55材種に対し、拡大率のバリエーションは8種類に及びます。

なかでも拡大率1.216は、MIMの黎明期の名残だと思われます。この拡大率は精度±0.5%程度が限界の材料です。当時の金属粉末の品質(粉末形状、サテライト、タップ密度)が高くなかったため、バインダー量を多めに添加する必要がありました。焼結精度が悪いので今後衰退していくと思われます。

拡大率で最も種類が多いのは1.1669のグループです。これはBASF社の「Catamold-310N」と同等で、同社の量産実績精度は±0.3%を誇ります。

さらに注目すべきは、1.1515や1.1450といった、より小さな拡大率が存在することです。収縮率が抑えられていることから、これらはさらに高い寸法精度が出せることが推察できます。攻めていますね!!

関連BLOG:量産品のMIM精度を考える

関連BLOG:バインダー量と伸び尺の関係

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2026年6月19日金曜日

【MIM指南書(増補・セルフ)】MIMの表面粗さ

 MIM指南書 P8 5.高表面品位 の追加説明です。 下図を縮小印刷してP9の下の空欄へ、貼り付けてください。

《補足》「as sinterd (焼結体そのまま)」には、MIMの表面付着物を除去する目的で、軽くガラスビーズ・ショットブラストを行ったものも含みます。ただし、ブラストを掛けすぎると表面あらさが劣化するので、次の条件が前提です。「差圧式ショットブラスト、ガラスビーズJIS-F220、空気圧力3kg/cm2、ショット時間最大3秒間。また、ガラスビーズは割れる*1)と表面粗さが劣化するので、定期的なメディア交換管理を行うこと。」

*1 ガラスビーズの割れが問題であれば、高価であるが耐衝撃性に優れているジルコニアビーズに変更すること。

微粉MIMとは、粒径3~5μmの微細粉末を使ったMIM。μMIM®、マイクロMIM、Micro MIM


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2026年6月18日木曜日

INDO MIMが取得している認証資格

MIMだけでなくSinterbased Metal AMでも先導する「INDO-MIM」が取得している主な認証資格をまとめました。

ISO 9001(品質全般)

IATF 16949(自動車産業)※欧米の大手自動車メーカー・産業団体が策定した世界基準

ISO 13485(医療機器)

AS/EN/JIS Q 9100(航空・宇宙・防衛分野)

ISO 14001(環境対策)

ISO 45001(労働安全衛生)


【珈琲ブレイ句】自動車、医療、そして敷居の高い航空宇宙まで、あらゆるハイテク産業の要求に応えられる体制を整えている点に、同社の強固な経営戦略が見て取れます。限界を設けず、最高峰の品質マネジメントに挑み続けた結果が、現在の「世界シェアNo.1」という実績に繋がっているのですね。

関連BLOG:世界のトップレベル「INDO-MIM社のBJT技術」から学ぶこと


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2026年6月17日水曜日

【MIM指南書(増補・セルフ)】セラミックコート

 MIM指南書 P30 のポイントの下へ手書きで追加して下さい。

おすすめ(実績あり):セラコートスプレー ㈱オーディック アルミナ99%


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2026年6月10日水曜日

タグチメソッド・パラメータ最適化とベイズ最適化②

  【珈琲ブレイ句】タグチメソッド(品質工学)とベイズ最適化の関係性を、簡単にまとめました。

両者の関係性

《ベイズ最適化の強み》 過去のデータや物理シミュレーションを学習し、多次元空間の「未知の交互作用」を推測しながら、最小の実験回数でピンポイントな最適解へ到達する。

《品質工学の強み》 単なるピーク(山頂)探しではなく、製造ロットブレや環境変化(誤差因子)に耐える「なだらかな、崩れない山(ロバスト・頑健なシステム)」を作る。

現代の製造業データサイエンスでは、ベイズ最適化という強力な「探索エンジン」のなかに、タグチメソッドの「誤差因子を織り込んでロバスト(頑健)にする」という思想をどうアルゴリズムとして組み込むか、という方向で両者の融合が進んでいる。

天国の田口玄一先生に直接聞いてみたいテーマです。聞いてもほとんど理解できないけど・・・。

関連BLOG:タグチメソッド・パラメータ最適化とベイズ最適化の比較

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