2020年3月14日土曜日

脱脂の意味を正確に理解しよう

MIMの要である「脱脂」について掘り下げる。MIMの工程は3つで成形、脱脂、焼結と説明されることが多いが、実はこの「脱脂」は2工程を包含している。

その2工程とは「DE-WAXING工程」と「DE-BINDING工程」である。その違いは文字通り、前者がワックス(滑剤)、後者がバインダー(結合材)を除去する工程である。

MIM製法の違いと脱脂装置】
《溶媒脱脂》
 De-WAX : 溶剤脱脂装置
 De-Binder: MIM用脱脂焼結炉
《加熱脱脂1》
 De-WAX : 加熱脱脂装置
 De-Binder: MIM用脱脂焼結炉
《加熱脱脂2》
 De-WAXDe-BinderMIM用脱脂焼結連続炉
《3-STD加熱脱脂(POM系、PMMA系、SS系)》
 De-WAXDe-BinderMIM用脱脂焼結炉(SHIMADZU炉)
《触媒脱脂BASF法》
 De- Binder1 : 触媒脱脂装置
 De-Binder2: MIM用脱脂焼結炉 

【珈琲ブレイク】
ひとつだけみんなと違うものがあります。それは一番下の触媒脱脂。触媒脱脂は、2工程ですがどちらも「De-Binder」なのです。構成材がほぼ結合材だけなので脱脂変形が少なく精度が高いのが最大のメリットです。BASFの独創的アイデアが際立って見えます。ただし、滑剤が微量なので成形が難しいのが玉に瑕なのです。上級者向きですね。補足:①MIM用脱脂焼結炉を、加熱脱脂と焼結の2工程に分割することも行われています。②DeWAXを一次脱脂、DeBinderを二次脱脂と表現する場合があります。