2026年4月21日火曜日

ゲルベース金属3Dプリンティング技術を学ぶ

 米国のスタートアップ 3D Architech Inc. が開発したゲルベースの金属3Dプリンティング技術(GEMM: Gel-enabled metal manufacturing)について少しまとめておきます。同社 の共同創業者兼CEOである 成田 海(なりた かい)氏 が中心となって開発された、従来の金属3Dプリンターの常識を覆す「高精度」と「低コスト」の両立を目指した画期的な手法です。3D Architech, Inc. 

《造形方式》 金属イオンを含む特殊なゲル(感光性樹脂)を、安価な光造形3Dプリンターで硬化させた「ゲルの造形物」を作り、その後、脱脂(有機成分除去)、焼結・還元(無機化・金属化)を経て、ゲルを金属へと置き換える。

《超微細造形》 従来の金属プリンター(MEX,BJT)の解像度が100μm程度であるのに対し、10μm以下という極めて微細な構造(マイクロラティスなど)の造形可能。

《汎用プリンターの活用》 高価な装置を必要とせず、1,000ドル程度の市販の光造形機(SLA/DLP)でも造形可能。

【珈琲ブレイ句】3D Architechの積層する金属材料は、金属粉末ではありません。分子レベルの金属塩を造形するAM技術です。

目指すターゲットは、髪の毛よりも細い構造を組み合わせた「マイクロアーキテクチャ(微細格子構造)」です。10μm単位の極薄の壁や、複雑に絡み合う微細な管路など、他の方式では物理的に不可能な領域を狙っています。もしかすると、競争相手は、MEMSかもしれません。

MIMやMEX、BJTは部品を造形するものですが。3D Architechは、単なる「形」を作るだけでなく、金属の微細構造によって熱交換効率や触媒性能などの物理的な限界値を引き上げる金属の「機能」を再定義する可能性があります

現在、造形物は純金属が主流ですが、数種類の金属塩を使うことで合金も可能らしいです。日本人の考えた新技術に期待しています。

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