MIMのバインダーは通常、3種類以上の樹脂やワックスを混ぜて作られている。機能としては「結合材」「潤滑剤」「可塑剤」の3つ。それから、脱脂・焼結割れを防ぐために、熱分解で揮散する温度域、その反応速度を制御するためである。また二次的には成形性や脱脂・焼結変形が少ないこともテーマになる。バインダー設計の腕の見せ所になる。
私は鋳造も経験していたので、バインダーの混合に対して誤解があった。それは、合金にすれば(混ぜれば)融点も下がるし、新しい性質が生まれると思っていた。しかし、高分子同士混ざらないものが多いらしい。無理やり混ぜるためには「相溶化剤」なる鼻薬を添加する(個別的で万能薬は無い)。さらに、樹脂メーカーが初めから混ぜたものを販売している、それが「ポリマーアロイ」というものらしい。調べたら1950年が第一世代で今は第三世代とのことだ。
結論:樹脂同士は混ざらないが、相溶化剤という仲人を介せば混ざる。ただし、すべての樹脂が混ざる薬はなく個別開発が必要。
結論:樹脂同士は混ざらないが、相溶化剤という仲人を介せば混ざる。ただし、すべての樹脂が混ざる薬はなく個別開発が必要。
遅ればせながら、これはMIMのバインダーの改良開発に応用すべき技術だと感じる。金属粉末との濡れ性の改善。他のポリマーとの相溶性改善。混錬時間の短縮化。・・・・ POMはとくにポリオレフィンポリマー(PW,PE,PP)との均質性が悪く、成形時に粉末が分離しやすい。