2018年12月11日火曜日

チタンのMIMを考える

活性金属のチタンをMIM化するための課題は・・
「バインダー完全除去問題」大量のバインダーからの汚染をどうするのか
・「工程中、工程間の空気汚染問題」
・「炉内汚染問題」高真空度10-3Paレベル 酸素、炭素の除去
・「セッターからの汚染問題」

《論文から読み取った方法》
  「粉体および粉末冶金20065310815-820 三浦ら」
黒鉛ヒーター・黒鉛タイトボックス仕様の油拡散ポンプ付焼結炉での事例が
お見事なので紹介します。材質は「αβのTi-6Al-4V」 
 ◆工程の特徴
・粉末混錬:アルゴン置換の容器でミキシングして加圧密閉混錬
・脱脂:溶剤脱脂 乾燥は空気と遮断
・加熱脱脂+焼結 1炉の中で連続して脱脂焼結 
 ◆焼結での工夫、
Mo製箱をタイトボックスの中に置き【浮遊炭素を遮断】、
セッターはジルコニア(要空焼き)あるいはイットリア【セッターとの反応対策】
スポンジチタンを細かくして箱の中に点在させる【酸素のゲッター】
焼結後そのまま炉内冷却 【冷却中の汚染対策】
結果:相対密度98% 引張強度910MPa 伸び14% Ti-6Al-4V                     
(比較:溶製材JIS60 TS=890MPa Elong.10%)
(比較2:JPMA S 01:2014 MIM-Ti-6Al-4V TS=800MPa Elong.5%)
溶製材JIS規格を満足させることができています。すごいです。
特に伸び14%は完璧です!!!

でも量産するのは大変そう!
→完全メタル仕様の焼結炉で真空能力を強化すれば、
二重箱やスポンジチタンは省略できそうですね!


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