金属素形材造形の製造技術であるBJT(バインダージェット)とLW(ロストワックス)およびMIM(金属粉末射出成形)の特徴をまとめ、その使い方を考える。
《寸法精度》MIM(±0.5%) > LW(±1%) > BJT (±1~2%)
《表面粗さ》MIM(Ra0.15~2Ra) > LW(Ra3~6 ) > BJT(Ra8~12)
《初品納期》BJT(3~10D)> MIM(1~2M)> LW(2~3M)
《リピート納期》BJT(3~10D)> MIM(1~2W)> LW(3~4W)
《材料技術》LW(すべての鋼種) > MIM(30~40種) > BJT (10種未満)
《設計の自由度》BJT(ほぼすべての3D形状)> MIM(犠牲中子要)> LW(犠牲中子要、微細中空不可)
《製造できる大きさ》LW(10g~数10Kg) > MIM(μMIM~300g) > BJT (10~500g、50gがベスト?)
【珈琲ブレイ句】どの素形材にもそれぞれの特徴やメリットがありますね。ケースバイケースで最良の素形材を選択するのが開発設計者の腕の見せ所です。蛇足ですが・・・LWではAM技術でワックスモデルを造る方法は、古くから実施されているので、初品納期は金型納期が無い部分で2W以内で出荷できる可能性があります。同様に近年登場したMIMの成形型をAM樹脂で造る技術を使えば1か月短くなります。また、LWは航空エンジン等の翼部品だと表面粗さはMIM相当だし、真空鋳造やシングルクリスタル鋳造も行われています。一方、MIMやBJTの粉末冶金は高合金や複合材を造る自由度は溶解・凝固の伴うLWより高いメリットがあります。多様性の時代がおもしろい。