2023年7月11日火曜日

JIS Z2551 金属粉末射出成形材料-仕様(2021)

 【珈琲ブレイ句】2021年にMIM材料のJIS規格が制定されました。遡ること2014年にJPMAがMIM材料・仕様を規格化してから7年後のことです。世界のMIM材料規格では、MPIF Standard 35が、お試し版1994年、正式版1995年に誕生しています(従ってJIS化は20年後と言う事です)。この規格はISO22068(2012)に基づき、JPMA規格よりグレードアップされ、33種類の材質と3種の試験片形状が規格化されています。

日本人が熟考を重ねたと思われる痕跡で面白いところを3つ紹介すると。①材質に耐力条件が付きました。例えば「MIM-SUS316L-140」だと、耐力が140MPa以上であるものということになります。②海外の材料名を日本の慣用名に置き換えています。「17-4PH」は「SUS630」、「4140」は「SCM440]、「4340」は「SNCM439」などです。③「我が国の事情のためISO規格へ提案を行わない。」とする独自の内容が28項目あるところ。前の2つもその事情の対象です。◆「個性的ですばらしい!?」「わかりやすくなった!」という印象です。ただし注意が必要なところを2つ紹介します。ひとつ、ほとんどMinimum Valuesの安全データで規格化され、Typical Valuesのハイクラスデータの記載がないこと。ふたつ、素敵だけど、「我が国の事情」が多くガラパゴス化しているかも?と思わられる部分です。だから、世界標準も合わせて俯瞰した方がMIM技術のレベルがわかり、さらに進化・発展できると思われます。でも待ちに待ったJIS化の第一歩、Good Job。ガンバレ日本!

JIS Z2551はこちらで注文できます。¥2640

MPIF Standard 35は$50で購入できます。

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