第43回研究進歩賞(2018年度)の論文(九州大学)を表にまとめる。
引用文献:工藤健太郎、品川一成、三浦秀志、”金属粉末射出成形Ti-6Al-4Vの高疲労強度とその支配因子の解明”、「粉体および粉末冶金」第70巻第7号(2023)319-325
「ことば」水素化・脱水素化処理(HDH、Hydride-Dehydride):チタン合金を水素雰囲気中で加熱し水素を吸収させ、その後脱水素焼鈍によって水素を除去する熱処理。この処理でチタン合金の組織を微細化することができる。
【珈琲ブレイ句】この論文は原料粉末、合金組成、焼結手法、熱処理の組合せにより高疲労強度を目指したものです。その支配因子ごとの効果を疲労強度順に表としてまとめました。いろんな因子がありますが、64チタン合金の疲労強度を向上させる共通するポイントは2つです。それは、①組織を微細化させること。②高密度化処理をおこなうことです。高密度化(HIP)処理を行うと組織が少し大きくなるのですが、気孔を潰すことによる疲労強度向上のプラス効果がより大きいのです。