2023年10月1日日曜日

MIM混錬の手順はあるのか

MIM用フィードストックは、金属粉末や高・低分子樹脂バインダー、可塑剤、潤滑剤などを加熱混錬して造られる。混錬物は粉砕あるいは造粒されて成形材料となる。そのときの材料投入手順はどうすればよいのか?

《結論》加圧混錬機に材料を投入する順番はいろいろである。

方法A:①高融点バインダーから低融点バインダーを順次投入 ②金属粉末を徐々に投入していく ③すべての金属粉末投入後に低融点添加物や可塑剤などを添加する

方法B:①加圧混錬機を予熱する ②金属粉末を投入し予熱温度まで加熱する ③バインダーを少しづつ投入する ④揮発性の可塑剤等は混錬最後に投入する

方法C:①すべての材料をミキサーに掛けて予備混合する ②加圧混錬機に全量投入する

《参考文献》方法A:渡辺、岩橋、下平、”金属射出成形活用ハンドブック”、P21、㈱ユーテス   方法B:斎藤ら、”金属粉体の射出成形技術”、P74、㈱総合技術センター

【珈琲ブレイ句】専門家によって順番がかなり違うので面白いですね。自分の経験では、溶けづらい樹脂(例えばPOM)がレシピに入っていたら「方法A」を選んでいました。PPやPEが主体ならどれでもOKで、「方法C」で量産を行っているところもあります。結局、自社のバインダーレシピに最適な投入方法は自分で調べるしかないようです。

共通するポイントはあります。それは、揮発性があり低粘性(あるいは液体)の可塑剤類は最後に添加するというところでしょう。

混錬物の品質の良し悪しは、表面性状の電子顕微鏡観察、ペレット密度のバラツキを特性値とし、管理項目は投入手順、混錬時間や混錬トルクになると思われます。

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