2024年9月22日日曜日

AM製6-4チタン合金の論文(2021)を深堀する

3Dプリンター:AM-MEX方式(Metal-fused filament fabrication、MF3)

フィラメント:6-4チタン(D50=30μm、球状、密度4.43g/cm3、タップ密度2.75g/cm3)バインダー(結合剤3種、エラストマー、可塑剤)41vol%(CSL36vol%)、密度2.96g/cm3、弾性率170MPa、UTS1.15MPa

積層条件:溶融温度240℃、ベッド温度65℃、積層速度10mm/s、ノズル径Φ0.4mm、レイヤー厚0.15mm、引張試験片(10×t4×32、L69mm)、積層体密度2.92g/cm3

一次脱脂(バインダー約40vol%除去):n-ヘプタン溶媒脱脂、64℃×4H +乾燥

二次脱脂・焼結:Ar、二次脱脂4段階昇温MAX550℃×11H、焼結1250℃×4H、Ar中炉冷

焼結体:収縮率14.5%、焼結体密度4.2g/cm3、α-β相微細組織230μm、UTS875MPa、伸び17%

【珈琲ブレイ句】すばらしい研究論文です。MIMフィードストックの開発手順を完璧に踏襲しているので、MIM成形体と比較してMEX方式の積層体密度が低い理由が読み取れます。理由は2つ。①フィラメント自体の密度が低いこと。フィラメント密度が低いのはCSL36vol%に対して足すバインダー量が+5vol%と多いため。もうひとつは、②積層密度が低いこと。積層密度が低いのはMIM射出成形における「保圧」を掛けられないため。

新たな学びは、積層材をフィラメントにするために柔軟性のあるエラストマーを配合しているところです。そこから結合剤はエラストマーと相性の良いPPが主成分かな?と推察できます。

参考文献:Kunal H.Kate、Vamsi K.Balla、 "Additive manufactureing of Ti-6Al-4V alloy by metal fused filament fabrication:priducing parts comparable to that metalinjection molding" Published online 11 February 2021

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