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【珈琲ブレイ句】最近流行っているベイス最適化実験計画の本を読みました。ブラックボックス関数を最小工数で最適化する手法ですが大変難しく一朝一夕で理解することはできません。そこで、品質工学タグチメソッドのL18パラメータ最適化実験と対比する形で大雑把に表面だけを比較してみました。
《私見》現場の技術者として、目的、実験規模、表計算ソフトで計算できる、再現性が高いなどを考慮すると、製造条件最適化や改善には、タグチメソッドL18実験が今でも秀逸なツールだと再認識できました。
【珈琲ブレイ句】
私が支援したMEX 方式金属積層造形のパラメーター設計の研究事例が「型技術」誌に掲載されました。発売は12/16(火曜日)。タグチメソッドを使ったパラメータ設計の事例です。
MIM 技術者が解き明かす金属フィラメント3D プリンタ
─L18 直交表を用いたMEX 方式金属積層造形のパラメータ設計─
浜松メタルワークス 谷川啓人、小杉峰弘
追記:キャステムの事例(P044)デジタルキャスト、夢構想経営も掲載されています。
CMFとは、Cold Metal Fusionのことです。いろんな方式がありますが、一番お手軽な技術としては、通常のFFF/MEXプリンターを使用し、金属粉末が大量に含まれたバインダーフィラメントを熱で溶かし、層ごとに押し出して積層造形したグリーン体を脱脂焼結するAM技術(Sinter Based Metal AM)があります。
ここでは、新しい技術である『新CMF』を共有化します。新CMFは、MIM用粉末とバインダーを混錬および造粒させて作ったCMF複合フィードストック(40~100μm)を敷き詰めて、レーザーによるSLS造形(Selective Laser Sintering)を行い、溶媒脱脂をして焼結する技術です。
新CMF =SLS造形+脱脂+焼結
MIM用粉末を使っているので焼結密度がMIM相当、バインダー量も35VOL%レベルで、収縮率が14%とMIM相当です。
《新CMFの工程》
①フィーダーモジュール(Powder feed tub)にCMF複合フィードストックを敷き詰めて圧縮する。稼働率を上げるため別工程で行い台車式により次工程②へ移送する。
②フィーダーモジュールをビルドモジュール(Build tub+レーザー照射)装置にセットする。
③レコーター(Recoter)によりフィーダーモジュール上面の1層分だけ盛り上がったCMF複合粉末をかき取り、隣の一層分だけ下がったビルトモジュールの最上部へ移動させ敷き詰める。
(おそらく、レコーターで移動させるCMF複合粉末の量は、移動先のビルトモジュール一層分より多めになっていると推察する。理由は、圧縮して高密度化させるため。溢れた材料は100%リサイクルに回す。)
④ビルトモジュール上部のフュージョンモジュールから、レーザー照射を行いモデルの一断面を焼結する。焼結といってもバインダーを溶かすだけの低温である。
(説明では50℃としている。おそらくレーザーのエネルギーが当たった際、ワックスの熱によって高分子結合材が同時に溶融・軟化し、金属粒子間により強固な分子結合を形成すると思われる。あるいは、粉末床の温度が50℃で、レーザー照射部の温度は結合材の軟化点より高いかもしれない。そうであれば、瞬間的に溶融固化させワックス類のブリードを発生させないようにしていると思われる。)
⑤グリーン体を粉末床から取り出して刷毛を使って付着している粉を取る。作業者は防塵マスクをしている。
⑥ウォーターブラスト装置で水ジェットによりグリーン体を洗浄する。
(かなり高圧な水ジェットに耐えられるグリーン体強度を持っていることがわかる。)
⑦溶媒脱脂(LOMI)で一次脱脂を行う。
⑧二次脱脂・焼結 12~15時間
情報元:Headmade Materials社(独)のホームページ および YouTube YouTubeでビルトモジュールと説明している台車は、おそらくPowder feed tub(カセット式粉末床)のことだと思われる。
【珈琲ブレイ句】この『新CMF』は、Sinter Based Metal AMの中でトップ技術の予感がします。フィラメント式MEXは、バインダーが多いので収縮率が大きいという課題があります。また、BJT方式ではMIM用粉末は流動性の問題で使えないため大きな粉末が使われるので焼結密度を高くすることができない課題があります。 一方、この新CMFは、微細なMIM用粉末が使え、その粉末で作ったCMF複合フィードストックの粒径は40~100μmなのでBJTと同様のレコーター方式を採用することができます。
《Headmade Materials社の新CMFの優位性を下にまとめておきます。》
コスト効率:既存の安価なポリマー用SLS装置を利用可能。高価なレーザーや不活性ガスが不要。
高生産性:モジュラー運用により、造形完了後のフィーダーモジュールを素早く交換し、プリンターの稼働率を最大化できる。
安全性の向上:金属粉末がバインダーで包まれているため、微細な金属粉末の取り扱いリスク(粉体爆発性、健康被害)が低減される。
材料リサイクル率:低温造形により、未使用の粉末が熱劣化しにくく、100%に近いリサイクル率を実現。MIMのスプルーランナのリサイクルより有利。
《蛇足》昔、日本のリコーさんが、複合フィードストック粉末を使った溶媒ジェットプリンターを研究開発されていたことがありました。違いは、「溶媒で低分子バインダーを溶かす」ところです。現在、なぜ新CMFは実用化できたのか? その理由を考えると、「レーザーの方がエネルギー量を調整しやすく、溶媒に不溶な材料も使えるためバインダー設計の自由度が高い」ことだと推察しています。
アルミニウム合金の中で最高クラスの強度を持つ超々ジュラルミン(A7075)は、MIM向きの適材ではないかと感じる最近(2024)の論文を共有化しておきます。
《条件》粉末:A7075アトマイズ粉末、10μm
バインダー:POM(85%)、PP(13%)、SA(2%) 、36VOL%
一次脱脂:触媒、二次脱脂:加熱500℃(N2)、焼結:610℃(N2)
《結果》焼結密度:2.75g/cm3(97.57%)、収縮率:10.77%、引張強度214.8MPa
【珈琲ブレイ句】A7075の引張強度は、C材で270MPaなので約80%の引張強度が出ていることになります。さらに熱処理(T6、溶体化+時効)を行えばおそらく500MPaは超える可能性があります。一方、ロストワックスのAC4C-T6は、約 300 〜 350MPaですから、MIM製A7075(T6)を実用化できれば高強度軽量化ニーズへの魅力的な商品になるのではないでしょうか。
なぜ「超々ジュラルミンはMIM向き」と感じるのかというと、成分中のMg、Si、Cuが良い働きをするからです。焼結温度が610℃になるとマトリックス中のMg2SiとAl2Cuの液相が粉末粒子間の隙間を埋めて、アルミ粉末間の焼結ネック形成が進行していくからです。アルミニウム合金の『液相焼結』に有利な添加物を元々含んでいるのがA7075ということです。
この論文には伸びしろがあります。それは、バインダーが36Vol%と大変多いので、高TD粉末を選び、そのCSLからバインダー量を最少化させる設計を行えば焼結密度をさらに向上させることができると思います*1。結果として引張強度だけでなく、寸法精度も向上できることになります。
参考文献:Microstructure and mechanical property of high-density 7075 Al alloy by compression molding of POM-based feedstock, Heng Zouら、Journal of Materials Research and Technology 32 (2024) 4387–4399
*1:MIM指南書 P68、3.3バインダー量設計の実際