金属の材料押出積層造形(Metal MEX)において、市販のシステムを用いて316Lペーストの堆積と焼結について検討した研究報告があります。初期の積層から固化、最終焼結に至るまでの様々な段階における欠陥の形成と除去の性質について検討されており、結論は、最終強度は脱脂焼結工程ではなく積層工程で決定するということです。さらに、特に興味深い限界値として次の法則を共有化しておきます。
焼結状態からグリーン状態への個々の気孔の収縮、部分的および完全な閉塞の定量的な結果として、気孔が原料金属粒子のD90に相当する大きさより大きい場合、焼結時に完全に閉じることができない。最終部品の性能に大きな影響を与える。
文献:”Defect evolution and mitigation in metal extrusion additive manufacturing: From deposition to sintering”、Sajad Hosseinimehr ら、Journal of Materials Processing Tech. 329 (2024) 118457
【珈琲ブレイ句】Metal MEXは、開放空間で積層するため、積層材料同士を密着させることが難しいと考えられます。一方、MIMは金型という閉塞空間への高速射出成形なので充填圧力を高くできます。したがって、ガス逃げが完璧であれば気泡を発生させないことも可能です。MEXの積層は相当難しい技術ですね。いかに気泡をに無くして積層するかが勝負だということです。
