2026年1月20日火曜日

三峰性粉末80VOL%フィードストックの流動性

 ナノ、サブナノ、およびマイクロ粒子で構成される三峰性粉末80VOL%のフィードストックの流動性データを、2026年1月17日土曜日のキャピラリーフローに重ねた。

粉末は、アルファ酸化鉄マイクロ粉末をボールミル(with アルコール、ジルコニアビーズ)で粉砕し、粉砕紛(サブナノ粉末)とスラリー(ナノ粉末)に分け、水素還元にて二峰性粉末を製造し、その二峰性粉末25%と5~10μmの球状Fe粉末75%の配合とし、バインダーと混錬して三峰性粉末フィードストックを製造する。バインダーはPW75%+SA25%である。

引用文献:“Study of solid loading of feedstock using trimodal iron powders for extrusion based additive manufacturing”、Heungseok Oh , Taehyeob Im1, Jungsuk Pyo, Jai‑sung Lee & Caroline Sunyong Lee、Scientific Reports   (2023) 13:4819

【珈琲ブレイ句】この三峰性粉末のフィードストック研究は、MEX用のフィードストックが目的ですがMIMにも展開できる内容です。論文では、MEXに最適な74VOL%としています。これはノズルからの流出速度(射出速度)が、低いためにではないかと推察しています。MIM用バインダーには結合材の半分程度WAXと置き換える必要があるので、多少グラフは右肩が上がると思いますが、MIMは高速射出なので問題なく射出成形できると思います。

 『ナノ、サブナノ、およびマイクロ粒子で構成される三峰性粉末であれば、金属粉末充填率80VOL%も可能である。』ということがわかりました、素晴らしい研究論文です。

2026年1月18日日曜日

世界の 金属MEXフィラメント一覧表(汎用品のみ)2026

世界の 金属MEXフィラメントの中から、MEX装置バンドルの専用品を除いた汎用品を一覧表にまとめてみました。



 【珈琲ブレイ句】標準的存在のBASF仕様の展開と、MIMの元祖である溶媒脱脂の応用が主流であることが読み取れます。加熱脱脂も存在していますが、Desktop Metalのバンドル材では2種類の溶媒脱脂用と加熱脱脂用が用意されています。その理由を推察する必要がありそうです。

2026年1月17日土曜日

粉末充填率72vol%は実現できる

 【珈琲ブレイ句】MIMのワックス系フィードストックにおける金属粉末充填率(PL:Powder Loading)を4水準(60, 64, 68, 72vol%)で比較した研究論文*1では、PL68vol%が最適であると結論付けられています。その理由は、機械的性質、焼結体密度、焼結体硬度のすべてにおいてPL72vol%が最高値を示しているものの、PL68vol%の方が「成形不良率が低い」という点を重視したためです。

しかし、私はPL72vol%を最適値とすべきだと考えます。論文内のキャピラリーフローデータを両対数グラフ(下図)にしたところ、PL72vol%においても理想的な擬塑性流体であることが確認できました。また、せん断速度100 1/s  以上の領域で成形限界粘度の指標である1000 Pa⋅s を下回っており、成形性は十分に確保されていると判断できるからです。

参考までに、成形上級者向けのBASF Catamold 17-4PH(180℃)のグラフを重ねてみると、粉末充填率72vol%(ワックス系)は、Catamold 17-4PH(180℃)と、同等以上であることがわかります。

確かに成形は簡単ではありませんが、「成形条件のパラメータ設計」を行いロバスト性能の高い最適条件を導き出していれば、研究論文の結論は変わっていたはずです。

キーワード:高CL化=高精度化、品質工学(タグチメソッド)=パラメータ設計

*1 「Effect of powder loading on metal injection molding stainless steels」/ Yimin Li, Liujun Li, K.A. Khalil / Journal of Materials Processing Technology 183 (2007) 432–439

粉末:17-4PHステンレス鋼、ガスアトマイズ粉末、球状、d10 = 5、d50 = 12、d80 = 22μm、TD=4.70g/cm3、バインダー:65%PW + 30%EVA + 5%SA、混錬:175℃、横型50トン成形機(最大成形圧力160bar)、金型4種

D2153