【珈琲ブレイ句】焼結体の炭素量を規格に入れる量産試作が完了。順調に量産を行っていると、ある日突然に炭素量が規格値をオーバーすることがあります。したがって、市場への流出を防止するためには、焼結ロット単位で炭素分析の抜取検査を実施することが必要です。さらに、焼結体の炭素増加の原因への根本対策を行うことが重要です。
焼結体の炭素増加の主要因は、「脱脂焼結炉の設備管理上の問題」にあります。これは、二次脱脂工程で発生したバインダーの熱分解ガスが、仮焼結体へ再付着(浸炭)することが原因です。処理チャートを確認することで、その兆候を発見することができます。危険のサインが現れたら、排気系の清掃、ロータリーポンプのオイル交換や分解清掃などを実施し、排気能力を回復させます。さらに、早めの設備管理計画を作り、実行し、常に安心安全な焼結炉を確保できれば万全です。
詳細な原因と対策については、『MIM指南書』を参照してください。P140「炭素量不適合(high carbon)」、P180「5.19 C%規格外れ」に記載しています。