【珈琲ブレイ句】まずマイクロMIMを定義しておきます。スイスのMIMメーカーParmaco社によると「重量が 1 g 未満で、特に微細な機能を備えた部品」としています。もし、通常の成形機(40トンクラス)を使ってマイクロMIMを成形した場合どんな課題があるのか考えてみました。この裏返しがマイクロMIM専用射出成形機を使う理由になるはずです。
課題1:金型は成形機の大きさに合わせて大きくなるので、スプル・ランナも大きくなり、成形体が1g未満であれば歩留りが非常に悪くなります。これはスプル・ランナだけを成形している感じになり、マイクロMIM成形体は「バリ」扱いになりかねません。
課題2:通常の射出成形機のシリンダは大きいので、射出量(計量)の精度が成形体の大きさに対して相対的に悪くなります。試算してみます。【前提条件】通常の射出成形機のシリンダー内径をΦ35mm、マイクロMIM用射出成形機のシリンダー内径をΦ10mm、射出成形機のメカ的位置決め精度を±10μm 、フィードストック密度5g/cc 【結果:計量精度の差】通常の射出成形機(Φ35)の計量精度≒±0.35g、マイクロMIM用射出成形機(Φ10)の計量精度≒0.04g
成形体1gの成形体を成形するための計量精度が、通常の射出成形機の±0.35gだとすれば、繊細な制御は難しいことが推察されます。計量精度は、シリンダー径が大きくなるほど、その2乗で悪くなるので、いかにシリンダー内径を小さくするかが、マイクロMIM専用射出成形機の肝なのですね。