2020年1月18日土曜日

多数個取りと再生材の関係を考える

MIMの多数個取りは3キャビティ以上にしないことにしている。その理由は、すべての成形体品質を一定にすることが難しいからである。

なぜ難しいのか、理由は3つ。①MIM成形材料(フィードストック、コンパウンド)の密度が大きい(およそ5g/cm3)ため、重力の影響を無視できない。②金属粉末が多量に含まれているため流動性が悪く、熱伝導率が高いのですぐに固化する。③多数個取りにすることはスプール・ランナが長くなることである。この長い流動区間で上記①と②の影響を受け、やっとキャビティのゲートに到達した時点では、成形材料の温度・流動性が低下し成形バラツキが発生する、保圧も効かない。

これだけではない、ほかにも残念なことがある。それは、スプール・ランナが長くなることで相対的に再生材の量が多くなる。すべて再利用すれば品質が劣化するし、再生材比率を低くして品質を優先すれば、どんどん再生材が溜まる恐れがある。

【珈琲ブレイ句】
ひまわりのように中心からランナが広がるMIMの多数個取金型を観たことがある。すばらしい技術力であると賞賛した、でも担当者は困った顔でつぶやいた数個のキャビティは殺しているんです」。ですよね・・変な安心感。 逆にこんな強者に会ったことがある、彼曰く「キャビティは、原則1個取りです」。


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