2020年1月8日水曜日

成形材料の再生材比率について掘り下げた

再生材比率は金型方案に依存するとした。これは再生材比率を、保有する金型の成形品(製品)体積とスプール・ランナの体積の平均比率にすれば再生材の仕掛を最小化できるからである。これは現場的判断であり科学的ではない。そこで、実際はどのくらいの再生比率がよいのか調べた。三菱エンジニアリングプラスティック社の技術データが分かりやすい。ひとつの指標になろう。

もし、再生材比率を30%とすると、再生回数1回で再生材は30%、再生回数2回でその再生材は30%×30%=9%になる。つまり最初の再生材は再生回数のべき乗で減少していき、再生回数5回では最初の再生材は0.2%しか残っていない。

計算値のグラフを載せる。α=物性保持率% γ=再生材比率%
再生材比率30%のとき、物性保持率の低下は僅かであり再生回数2回以降ほぼ一定になっていることがわかる。再生材比率50%での物性保持率は5%低下し再生回数5回以降一定へと飽和する。
《まとめ》
・物性保持率の低下を考えると再生材比率30~50%が現実的。
・古い再生材はべき乗で減少し、30~50%では、ほぼ物性が保持され飽和する。
・気にすべきことは再生材比率を一定(標準化)にすること。
・さらに再生材以外の「ゴミや油」の混入が気になるところだ。
「離型剤を使うことはご法度」であることは言うまでもない。

【珈琲ブレイ句】
このグラフは単なる計算による作図なので、実際の現場で使うには検証が必要です。バインダーが熱履歴で劣化する度合いは使用している樹脂、材料により各社で異なるためです。酸化防止剤の有無も課題になりそうですね。

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