再生材とは、スプール、ランナをもう一度使うリユース材料のことである。この再生材を発生させないホットランナーがあるが、ほとんどのMIMメーカーは再生材を使っている。その問題と注意点をまとめる。
《問題1》流動特性がバージン材の特性から変化する(粘度が下がる方向)。そのため成形条件を調整する必要がある。その理由:加熱冷却の温度履歴による分子鎖切断、高い圧力・可塑化スクリュウ等による剪断による低分子量化。
《問題2》再生材を使った成形品は、焼結寸法が大きくなる。その理由:低分子ワックス等の蒸発揮散により実質バインダー量が少なくなり収縮率が小さくなる。
どうすればよいのか
①再生材とバージン材を配合して量産に使う。その配合比は、その会社の金型方案設計に依存する。粉砕混合あるいは再混練混合。
②ホットランナーにして、再生材を造らない、不良成形体も捨てる。
③再生を繰り返してもバージン材と同じ品質が再現される材料を開発する。
【珈琲ブレイ句】
こんな特許を見つけた、『目的:バージン材、再生材であっても流動性に変質の少ないMIM用原料コンパウンドを得る(特開平8-104903川崎製鉄株式会社)』つぎの方法を使うと再生材の粘度がバージン材と変わらない。その方法は、『混錬した後に、温度を下げ粘度を10000poise以上で10分以上混錬する。』 理屈は「再生材から抽出した粉末はバージン材から抽出した粉末に比較してタップ密度が高くなっていることがわかった。しかもこの変化は定量的にもコンパウンドと粘度変化の主原因と考えるものであった。」とある。