2019年12月10日火曜日

溶媒脱脂は嫌われているのか

私は溶媒脱脂肯定派のひとりである。その理由? それは品質がたいへん良いから、特に焼結体の最終化学成分のコントロールがきる脱脂法の一番手、金メダルだと考えているからである。化学成分が保証できないと望む機械的性質は得られない「名ばかり金属*1」になってしまう。ハイスペックMIMを目指すなら溶媒脱脂が必須であろう。(補足:BASF法も良い、ハイスペック向き。)

国内ではどうも溶媒は嫌われ者のようだ。新規に溶媒脱脂は行わないと決めたMIMメーカーに出会ったり、AM3Dプリンターの溶媒脱脂装置も導入の足かせになっているような話を聞く。

もし国内から「ノルマルヘキサンによる溶媒脱脂がなくなったらどうなるか」

ノルマルヘキサンによる溶媒脱脂がなくなったら→《サラダオイルがなくなる》

サラダオイルはノルマルヘキサン溶媒脱脂で造られている。食品企業に学べば問題解決は簡単ではないのか。

*1 名ばかり金属: JIS規格の粉末を使ったMIMだが、MIM焼結体の化学成分がJIS規格から外れているもの。バインダーが残留して炭素になったり、酸化・還元で酸素と炭素が変動したり、ある種の金属Crなどが蒸発減少したり、触媒脱脂でCoが減少するなど。

【珈琲ブレイ句】
解決のキーワードは「密閉」「蒸留再生」ですね。
水を使った脱脂に変更する。ただし、非鉄向き、錆に注意。


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