1997に出版されたジャーマン先生の本には、水アトマイズは不定形であるとされていた。しかし、当時の国内粉末メーカーでは、すでに球状微細粉末を製造することができた。ではなぜ、球状微細粉末の量産化までにタイムラグがあったのか? 各社の論文や特許明細書を読み込んだ結果から推論しまとめておく。
《微細で球状化させるポイントと課題》水ジェットの噴射圧力を1000kg/cm2以上に高くし、かつ、噴射角を小さくする。しかし、微細球状粉末の量が少ない(収率が悪い)ため、コストが高くなりガスアトマイズ粉末に勝てなかった。
《微細球状粉末で収率を上げる》微細粉末にするためには、次の項目を最適化すればよい。射出圧力、水量、噴射角度、ノズル形状 この中では、スギノマシンのHPにあるような超高圧高速水ジェットを採用し、さらにノズル形状を改善して収率を上げたと推察される。たとえば、溶湯を複数に分けて落としたり、逆三角錐に広げたりすること。
【珈琲ブレイ句】日本の水アトマイズ粉末は、絶え間ない技術者の努力により研究開発・改善が行われ、今では、間違いなく世界を先導していますね。海外ではガスアトマイズと水アトマイズを直列にした革新的なものが生まれていますが、直感ですが、コストでは日本の水アトマイズが有利だと思われます。
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