2025年6月18日水曜日

MEXのFGFとは?

 【珈琲ブレイ句】「MEX」は「Material Extrusion、溶融積層法」で、たぶん一番普及している3Dプリンター製法です。使用する材料で名称が異なります。次にまとめておきます。

FFF:(Fused Filament Fabrication)フィラメントを使うもの。FDMは商標なので論文などでは使わない方がよいです。

FGF:(Fused Granular Fabrication)顆粒の材料、つまりペレットを使うMEXです。 同じもので、FPFがあります。この「P」には2種類の語源があり、(Fused Pellet Fabrication)と(Fused Particle Fabrication)です。すべてペレット(粉砕粉も含む?)を使うもので同義ですが、今後は「FGF」に収れんしていくと思います。

また、MIM-Like AMとして「FGF」が選ばれると考えています。その理由は、金属粉末を多く含むMEX材料はバインダー量を減らした方が造形品の形状精度が高くなるのですが、FFFよりFGFが有利になるからです。その優位差は、顆粒材で可能だがフィラメントでは難しいことがあるからです。フィラメントでバインダーを極限まで減らすとこんな現象が発生します。①少し曲げると折れる ②ギヤ送りの際に削れる ③流動性が指数関数的に悪くなる。BASFフィラメントは、①②の対策?としてフィラメント表面を軟質樹脂でコーティングしていますが・・これが曲者??なのです。

PS.大阪万博の日本館にある椅子(実用的美術品)は、大型のFGF(エス・ラボ製)で造られています。Reprap*1の自作3Dプリンターから、工業的な大型3D造形まで、MEXがさらに普及していくと思われます。頑張れ日本!!

*1 「Reprap」:Replicating Rapid-prototyper(自己複製高速プロトタイピングマシン)、MEXプリンターを自作できる設計図や、3Dデータ(STL)が無料で公開されています。まさに、ものづくりMEXの民主化です。

2025年6月11日水曜日

2025年6月7日土曜日

ペレットを想定した新しいMEX式3Dプリンター情報

 【珈琲ブレイ句】本日、「特願2022-112054超高速射出点描画による熱溶解積層法」を取り下げました。理由はの2022年6月23日に米国で類似の特許明細書が公開され新規性が無いことが判明したためです。

この米国の特許が秀逸で基本機能だけではなく、せん断速度を高速にして間欠的に射出するところまで私のアイデアと同じでした。仕様書から全体図を抜粋しておきます。先願者様、「あっぱれ!」ここまで同じだと清々しい。

流動性の悪いMetal AMのMEXフィードストックを造形するには高速射出が有利なのです。プリプラ式射出成型機を製造している国内のS社ならすでに試作機があるかもしれません。made in JAPAN 期待しています。

2025年6月3日火曜日

バインダーレスのセラミック積層造形とは

 【珈琲ブレイ句】ニュースイッチ2025年06月03日「キヤノン・金属技研/セラミックス積層造形受託生産はじまる」記事の中のバインダーレスで造形するという文字に釘付けになりました。どういうことなのか調べてみました(空想を含む)。

積層技術は「LB-PBF(Laser Beam Powder Bed Fusion)」、セラミック粉末の流動性を高めるためにキャノンのトナーの技術が応用されているらしい。レーザーを使うがセラミックは高融点なので仮焼結の状態で積層する。つまり、グリーン体は仮焼結品。

焼結は、セラミックに合った通常技術の雰囲気と温度で焼結される。ただし、焼結時間は4分1の50時間に短縮できたそうだ。

BJT方式やMEX方式と比較して、バインダーレスなので、バインダー汚染を気にしなくて良い。高密度であるが収縮率が小さいので高精度(焼結変形2%)。

未確認情報:仮焼結体を液状セラミック(コロイダル、ゾル?)に浸漬し仮焼結体の微小空隙やクラック部に真空含侵させている可能性がある。また、アルミナの基材に融点を下げる補助的な希土類酸化物を添加している可能性がある。

流動性を高めるトナー技術とはなんだろうか? ①重合トナー:液中でトナー粒子を化学的に「成長」させることで製造し、粒子を非常に均一な球形にし、かつ粒径分布を狭くすることができる。②外添剤添加:トナー粒子の表面に、シリカ、酸化チタン、アルミナなどの微細な粒子を付着させ粒子同士の直接的な接触を防ぎ、粒子間の摩擦が低減する。これにより、トナー粉末の凝集を防ぎ、サラサラとした良好な流動性を保つことができる。

とにかく素晴らしい日本の技術です。 ガンバレ日本!!