①安価な3Dプリンター(熱溶解積層法MEX,FFF,FDM)で、積層できる。
②MIMメーカーが積層装置とフィラメントを購入すれば、自社内で脱脂焼結ができる。
③積層モデルで試作を対応し、量産は正式にMIMで受注する。
というビジネスが簡単にできるようになる。
欠点は精度と機械的性質ですが、この試作品で合格になればMIM化への展開は楽勝です(MIMの方が高精度、高強度になるため)
(一方、積層品がNGのときMIMもNGとなる懸念があります。
熱ものに懲りてなますを吹くになっちゃうネガティブ思考が心配・・)
MIMマガジン2018 Vol.12 No.3 P83 によれば
材質 SUS316L
収縮率 X,Y方向 16.5% Z方向 20.5%
引張強度 XY方向 498MPa Z方向 414MPa
参考MIM 510MPa
伸び XY方向 43% Z方向 19%
参考MIM 50%
なぜ、強度がMIMより劣るのでしょうか
これは組織マクロ写真を観るとわかるのですが、やっぱり密度が低くスカスカ感が否めないのです
なぜそうなるのか(以前にも書きましたが)
3D積層は「グリーン体密度が上がらない」からです。
なぜ上がらないのか・・
それはMIM成形(一般成形も同じですが)での「保圧」を掛けられないためです。
「MIMの品質は保圧で決まる」といっても過言ではありません。
でも「3D積層で成形密度を完璧にする方法」はないのでしょうか。
技術的には存在します。そのアイデアは・・
ラバーでコーティングしてCIPを掛ける方法です。
コストとリードタイムが増えるので高機能部品に限定されるでしょう
航空機の部品とか・・
その他に 焼結体にHIPを掛ける方法もありますね。
こちらの方がお手軽化もしれません。
ただし、焼結密度が低すぎてポーラスが閉じていないと
(空孔が独立していないと)HIPが掛からない、
この時は、密閉容器にセラミック粉末と一緒にいれて
等方圧加圧することになり大変です。
【追加】
・仮加熱脱脂でラバーコーティング+CIPという論文もありました。
・実験でちょっと試したいときは、油圧ポンプの出力に圧力容器をつなぐだけで
「なんちゃってCIP」ができます。注意:温度はワックス軟化点以上が理想。
◆BASFに伺ったときに学ぼうと思ったら◆20190817(mimsen83)
このフィラメントの販売は別会社でした。BASF 3D Printing Solutions 株式会社。それぞれ別々に営業をやっており詳細聞けませんでした。「AMからようこそMIMへ」への道は遠いことを痛感した次第です。もう少し営業の守備範囲を広げればいいのに・・・鉄道だって相互乗り入れが当たり前の時代に・・・大変残念でした。