2020年4月5日日曜日

MIMのレオロジー(流体力学)を嗜む

MIM成形材料(Feedstock)の射出成形に必要な知識としてレオロジーを復習する。水は「ニュートン流体」、MIMフィードストックは「非ニュートン流体」である。

非ニュートン流体5つのキーワード
①ビンガム流体(塑性流体)【バター】圧力を加えると粘度が下がる(降伏値あり)
②擬塑性流体【ケチャップ】圧力を加えると粘度が下がる(降伏値なし)
③ダイラタント流体【水に溶かした澱粉】圧力を加えると粘度が上がる
④チキソトロピー【ペンキ】圧力を加えると粘度が下がり、徐々に粘度が上がる
⑤レオペクシー【?】圧力を加えると粘度が下がるが、振動を与えると粘度があがる

MIMフィードストック(溶融状態)は、非ニュートン流体②の擬塑性流体である。圧力を加える(せん断力、射出速度を高くする)と、粘度が下がるので流動性が高くなる。

【粘度を下げる(流動性を上げる)制御方法】
◆射出条件◆
 1.射出温度を上げる
 2.射出圧力を上げる(→射出速度が上がる)
 3.射出速度を上げる
◆MIMフィードストックの変更・改良◆
 1.配合レシピの見直し(プロに任せる)
 2.滑剤(流動性向上剤)、可塑剤の添加

【珈琲ブレイク】
 実験用手動成形機では、速度・圧力が不足するので成形体品質が悪い。フローラインが残りやすく、脱脂焼結変形も完治できません。そのため、先日、MIMフィードストックの配合レシピを見直しました。可塑剤添加も考えましたが、実験室にあったHDPEを、PETTYバインダーのPPに置き換えたところ粘度がかなり向上しました。混錬材が糸状に伸びるので驚きました。ただし、副作用として強度は低下しています。


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