2022年11月18日金曜日

まったく新しい金属3Dプリンター2種

ASTM F2793-12AのAM標準プロセスカテギリー(8種類、2022年現在)に含まれない全く新しい金属3Dプリンターを2つここに記録しておく。

電気化学付加製造(Electrochemical additive manufacturing):イオン電導性電解質と電気通電により導電性表面に金属コーティングを行うもの。電解液を満たした注射器形状容器の中にプラス電極(例えば硫酸銅)を入れ、注射器先端と積層物表面との隙間にできる電解液滴にマイナス電気を印加することで局所的に金属(例えば銅)を堆積(メッキ)させて造形するもの。

選択的粉末堆積法(Selective Powder Deposition 3D Printing process):坩堝の中にセラミック粉末(サポート)と金属粉末(造形物)を造形物形状になるように選択的に敷き詰めていく。積層後に含侵用金属(インフィルメタル)を上面に載せて坩堝ごと加熱炉に入れ、含侵金属を溶融させ、金属造形物のみへ含侵させるもの。

【珈琲ブレイ句】両方とも安価(100万円未満)な装置を実現できる可能性があります。また、前者は微細な造形物を造れるメリットがあります。デメリットは原理がメッキなので金属はCu、Ni等で合金は採用できないところです。後者のメリットはとにかく手軽に金属造形物ができるところ。まるでサンドアートを作る感覚なのです。メリットでありデメリットなのは、金属粉末は焼結しないところ(体積収縮しない)、インフィルメタルで含侵させた金属体であることがデメリットですが、超硬WC粉末を造形できればメリットになりますね。

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