2023年5月4日木曜日

高タップ密度とバインダー量

 大同特殊鋼㈱の技術資料に「タップ密度とバインダー量の表」があったのでグラフ化した。高タップ密度になれば、MIMフィードストックを構成するバインダー量を少なくすることができることを示している。バインダー量が少ないということは、粉末同士の距離が短く、粉末同士の接触点が多いと言う事なので、脱脂中及び焼結中のスランプ変形が少ない。さらに、焼結収集率も小さくなるので焼結寸法精度が向上することである。

【珈琲ブレイ句】このバインダー量はCSLから求めたものと推察しますが、現在では最小バインダー量をさらに少なくする方向で技術開発されていますのでこの数字をそのまま展開しない方がよいでしょう。また、この技術資料に掲載されているSTD,HTD,UFD粉末の顕微鏡写真に、たいへん驚くこと(興味深いこと)を見つけました。それは一番タップ密度が高いUFDには、50μm程度の大きな粉末(おにぎり形状)が含まれていることです。ジェット頂角を小さくして故意に粒度分布の裾野を広げている感じがします。だから、(たぶん焼結密度が上がらないので)別に高焼結密度粉末HSDを用意していると感じました。オールマイティな粉末を造るのは難しいと言うことです。

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