2018年8月14日火曜日

ノリタケの20年

  ノリタケが米国に受け入れられる白磁ディナーセットを完成させるまで20年を要した。白い生地を作るのに10年。形状のばらつきやゆがみのない皿を作るのに10年。それは「技能」から「技術」へ昇華させるために必要な期間だった。時は1914年、100年前だ。

 MIMの製造技術は、陶磁器のそれと酷似していると感じることがある。だからこそ「こんな場面」に遭遇すると負の感情が湧いてくる。それは、量産をしているMIM企業でも、「ノウハウだけで製造しているの?と悲しくなる現場」があるのだ。(具体的に申し上げられません・・)Know How」はもちろん重要だ。レシピ通りに作れば品質の高いものは作れる。しかし、応用が利かない、発展がない。ではどうすればよいのか・・・
理想は「Know Why」を獲得することだ。 ライト兄弟だけでは飛行機は発展しなかった、後の航空力学が確立されてジェット旅客機が誕生したのだ。

 「Know Why」は工学であり工業に必要なこだわりだ。 ただ、MIM業界に開示された「ノウホワイ」がほとんどない*1、「ノウハウ」も同様だ。微力ながらこの問題を解決すべく一肌を脱ぐつもりだ。東京オリンピックまでには何とかしましょう。
*1 Know Why は研究論文として開示されていますが、現場の人たちにとってわかりづらい、体系化されていないという意味です。