2018年8月14日火曜日

PADSというMIM製法を勉強した

2011年の論文を読んだ。PADSは知らなかった。
Plasma Assisted Debinding and Sintering」
直訳すると「プラズマ・アシスト脱脂焼結法」
ブラジルのサンタカタリーナ連邦大学機械工学部の論文である。

とにかくすばらしい画期的な技術開発だ! 
感動したことをまとめると・・・

    2つの電極の間に生成するDC放電によるプラズマ環境の中でブラウンパーツを脱脂させること。画期的なことは脱脂したバインダをガスに変身させるところ。
   さらに連続して焼結まで行い その時間7時間。

    理屈は、プラズマ放電により炉内にパージさせた水素が水素原子になり、ブラウンパーツの高分子CxHyを低分子に分解し、CHの化学反応で、なんとメタン、エタン、プロパンのような低分子量のガスが生成されるそうだ。

    したがって、炉体内部および真空排気系が脱バインダーのドロドロで汚染されることが無い。

すごい技術である。 

この論文から7年すぎているが本技術を国内で見たことが無い。どうも特許出願しているようなので後8年間は待つ必要がありそうだ。  追加:1997年の開発 なので特許失効まで5年弱

ブラウンパーツとは、グリーンパーツ(成形体)を溶媒脱脂して低分子樹脂を抜いたもの。ちなみに焼結体はシルバーパーツ。