2019年3月31日日曜日

焼結ばらつきをどうやって管理するのか③

ロバスト性能を追求するべし
その方法は・・・


《理想》

焼結温度バラツキの影響が少ない(ロバスト性の高い)粉末を使う(設計する)→焼結密度が高く、焼結限界温度範囲が広い粉末を追求する。

手前味噌になりますが、明細書情報がありますので J-Plat Pat から覗いてください。free-pat.です。特開2004-052051: 金属焼結体の製造方法及び金属焼結体,ジューキ株式会社

《概要》
ガスアトマイズ粉末と水アトマイズ粉末の粒度と配合比を研究したところ,焼結限界温度範囲を最大化できる配合比があることがわかった。その配合比にすることで、精度IT14等級をIT10等級にすることができた。

工具鋼など炭素が多い材種は、液相焼結が進みやすく難しいのです。従来は不本意ながら炉内温度バラツキがあるため、フルチャージできませんでした。改善後は、粉末の単価が高くなりましたが、フルチャージが可能になり、精度も向上し総合損失を最小化できました。

ロバスト性:品質工学(田口玄一先生)のめざす品質SN比の特徴です。誤差因子と交互作用の影響を受けても品質が安定する設計のこと。この場合、炉内温度バラツキ±10℃(ガス対流を含めたすべて:コントロールできないので誤差因子)があっても炉内すべての配置で焼結寸法が規格±0.5%内であり、かつ機械的性質等も要求スペックに収まることです。