ダイスウエル=Dmax÷D0
普通のプラスチック・射出成形でPP樹脂のダイスウエルは1.5~2.0に膨れる
(230℃、剪断速度10^3~10^4 1/S)
私の結論「MIMフィードストックのバラス効果は、ほとんど無い」
ダイスウエルは0.9~1.1
だから、成形が難しいのである。ジェッティングが発生するから。
むしろ理想的なMIMフィードストックはダイスウエル=1であるべきだとも考えている。
◇もし ダイスウエルが1より大きいとすれば、それはバインダーがジャブジャブ入っているということになる◇バインダーを最少化できる臨界粉末量(Critical Solids Loading)のフィードストックであれば、ダイスウエルは1になることが理想であろう。しかし、成形が難しくなる、当然です。逆にバインダージャブジャブは、成形が容易であるが、収縮率が大きくなり最終焼結精度が悪くなると推察できる。
【珈琲ブレイ句】
バラス効果はなぜ起こるのか。それは高分子融液が粘弾性体であるからです。細い管内を通過するときには「圧縮」された状態にあり、開放空間に出た直後に弾性が解放され膨らむのです。バインダーだけならバラス効果は発生します。でも、金属粉末が多いと粘弾性体体積が相対的に小さくなりバラス効果も小さくなっていきます。そして粉末がクリティカル(最大)のとき(金属粉末同士が接触した状態)、粘弾性体に圧縮する力は伝わらなくなると考えています。
《実験検証してみました(2020/04/21)》
「ダイスウエル」 「粉末」 「バインダー/VOL%」
0.99 PF10F SUS316L 自作POM系/35VOL%
1.05 PF10F SUS316L 市販POM系-O/41VOL%
1.20 PF10F SUS316L 市販POM系-A/40VOL%
市販POM系-Aは、結構膨らんでいますね?弾性の大きな樹脂が配合されているようです。ちなみに掃除用発泡パージ剤のダイスウエルは、2.08でした。