2019年6月10日月曜日

「脱脂酸化」とはどんなものなのか 

ジャーマン先生の本 脱脂一覧表にある「Oxidation酸化」が気になったので少し調査した。

脱脂で酸化させるとは、その目的と効果は?

銅のMIMでいくつか論文を見つけた。
《まとめ》
・真空中で酸化させずに脱脂したものは還元雰囲気焼結で全く焼結が進行しない 
・それは、水素と酸素が反応し「H2O」ガスが発生して密度が向上しない
・また、炭素が多いと銅は焼結が進行しない。
・そこで 脱脂酸化(大気中)で「炭素を減らす」C+O→CO反応(C+2O→CO2の可能性もある)
・その時のポイント、脱脂酸化温度を300~400℃にすると、酸化銅が針状になる(CuO whisker) 200℃から酸化し500℃で酸化銅は針状から平たんになる
・この「針状酸化銅が焼結の起点となる」ので
・焼結密度が90%を超える(D50=10μm 焼結温度1000℃ 還元雰囲気中で焼結)

《感想》
 銅のMIMは製造が大変です。炭素を減らすために酸化させて、焼結前に酸素を還元で除去する。ポイントは酸化銅を針状にすること。
 インフラとしては 大気脱脂、水素還元焼結炉が必要だということですね。 焼結温度も低いし専用炉の方がよいかも・・・鋼粉末が混入すると厄介なので製造現場も別管理になるのでしょうか・・・・・・
 エプソンアトミックスでは無酸化銅に匹敵する純銅MIMを売り出しています。確かに「当社独自のMIM焼結技術により含有酸素量をコントロール」と書いてあります。独自技術って?