2020年10月2日金曜日

焼結機能窓を使った高品質化の概念図

MIM製造現場の願い。

「標準温度で、炉内のどこに配置しても、焼結密度の規格を満足し、形状寸法の工程能力指数Cpkが1.33以上になってほしい」

 しかし、焼結炉内の伝熱(炉内温度バラツキ、流動ガスなどいろいろ)は、大きく変動する。しかも、ほとんど人間にはコントロールできない*1。老朽化によりヒーターは摩滅していくし、真空排気能力も低下していく。

人間ができることの初めの一歩は

「焼結機能窓の広いMIM粉末材料を選ぶ・開発する」こと*2。

焼結機能窓を使った高品質化の概念図を示す。


【珈琲ブレイ句】
 決してこんなことはないと思いますが・・・粉末ロットごとに試し焼結をして寸法規格に入るように(標準条件を無視して)焼結温度のプログラムを変更する。とりあえず寸法が合格しないと出荷できないので仕方がない。密度が落ちていなければいいのですが、過熱で組織異常はありませんか? こんな粉末使いたくないですよね。結婚相手は冷静に選びたいものです・・・

*1 ただし、こんな技術はあります。1)炉の断面積を小さく奥行きを長くする。輻射熱をできるだけ均等にする。2)ヒーターを3分割や6分割にして独立させて温度制御する。初めからこんなすばらしいMIM用脱脂焼結炉を使えたら良いのですが・・・
*2 焼結機能窓が広くても「焼結密度が低いものはNG」と考えています。通称「スカスカなMIM」は、避けたいものです。

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