市販の手動式射出成形機の改造修理を行った。そもそも、この成形機は自作するよりは納期と価格で有利だったので購入されたものである。コスパが大変すばらしいのであるが、欠点がひとつある。それは設計が「スマートすぎる」。武骨でないため、高圧力で射出成形するMIMでは耐えきれずぶっ壊れる部品が続出する。部品を交換していたが、先日ついに大手術が決行された。
・シリンダーとノズルは、ナック材の削り出し品にする。オリジナルの材料供給パイプの肉厚が薄いので補強のステンレス針金を巻く。オリジナルのシリンダーは鋼にニッケルクロムメッキ仕上げで、内筒がテーパになっているものの発砲樹脂や低収縮材の時は材料が抜けない。新シリンダーは両端面セパレートタイプに設計、分解掃除が楽になる。
・トグル回転支点の軸がすぐに曲がるので(なぜか中空)、調質ボルトに交換し、隙間に平座金を挟み、二重ナットで固定。
・材料供給&ピストンガイド部品のヘリサートが抜けた。貫通穴を開けて長いボルトで把持させた。レイアウトの関係でボルトは1本だけ。
プラスチックに挿入されているヘリサートがボルトを強く締めると抜けた。この部品は黄銅で作り直した方が良いかもしれない。
ハンドルの干渉、ピストンまでの余裕を考えてボルトは1本にする。かなり頑丈になる。ピストンもスムーズに動く。
溝カムをグリースアップして修理完了。
これで、後10年は使えそうである。だんだんINARIの原形が無くなっていく・・。