2020年10月21日水曜日

二峰分布混合の威力

 Indo-MIMによる二峰分布混合(Bimodal powder mixtures)の報告がある。焼結変形と相対コストの関係から、最善の組み合わせを提案している。

【結論】17-4PH(SUS630)において、平均粒径6μmを25wt%+平均粒径20μmを75wt%配合したときが最善である。

ひとつのグラフにまとめた。




【珈琲ブレイ句】
 この報告のポイントは、混合のひとつに一番細かい3.3μmの粉末を使うものが焼結変形が少ない。しかし、材料キロ単価がものすごく高価(3.5~4倍)なので、量産材料として採用は控えます、ということですね。 数gと小さいものであれば、部品1個当たりのキロ単価は、原価比率から見て大きな差が無いので3.3μmを採用しても良い可能性はありますね。
 それにしても粉末量が70VOL%は凄く多いですね。これも焼結変形が少ない要因ですね。Indo-MIMは限界粉末量CSLを攻めている感じです。凄し。
 二峰分布:二峰充填で粒度比7:1(重量比73:27)の時、粉末の充填密度が86%になる。この27%とこの研究の25%が似ている。『粉末冶金の化学』ジャーマン先生の本(翻訳者:三浦先生と高木先生)