MIM創世期には、10μm以下の微細な球状粉末は2種の製法しかなかった。それは、カルボニル法とガスアトマイズ法である。残念ながら当時は、水アトマイズ法の粉末は、不定形状で比表面積も大きく、結果としてタップ密度が低かった。そのため、バインダーを多量に添加する必要があり、結果、収縮率が大きくなり寸法精度が低く、焼結密度も低いため強度も低かった。しかし、2000年代から水アトマイズ粉末の技術開発が進み、品質が向上する。そして、現在、とくに国内2社の製品がすばらしいので注目している。その2社とは、先陣を切っていた青森県のE社と、追いつきトップを競う福島県のM社である。
【珈琲ブレイ句】国内製水アトマイズ粉末の優れているところは、完全球状、サテライト無し、高タップ密度、微細粉末化、高収率・低コスト化です。改善・開発されたところは次の技術だと推察しています。①溶湯温度の最適化(低温化) ②タンデッシュからの溶湯の流れ形状の最適化制御 ③超高圧水ジェット利用(スギノマシン?) これらにより、後加工で機械的に球状化させる必要がなくなったのです。コツコツと技術開発を継続する力、東北魂がすばらしく凄いのです。
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