田口の直交表L18を使った本格的なパラメータ設計の概要を記録する。
《粉末》超硬合金(WC-Co、D50=4.35μm、10.66g/cc、CPL(CSL)=65Vol%)
《バインダー》パームステアリンPS70%、PE30%
《特性値》動特性y=βM、信号:M射出圧力、出力:y成形体密度
《因子と水準および結果*最良》
射出率(ccm/s) 10,20 差は微小
粉末量(vol%) 59,61,63*
射出温度(℃) 140*,150,160
保圧(bar) 1700*,1800,1900
《感度β》粉末量***
《確認実験》イニシャル-75.67db、 最適-71.11db 利得4.55db
文献:“Optimization of Injection Molding Parameters for WC-Co Feedstocks”, Sri Yulis M. Amina, Norhamidi Muhamada, Khairur Rijal Jamaludinc , Jurnal Teknologi (Sciences & Engineering) 63:1 (2013), 51–54
【珈琲ブレイ句】本格的なタグチメソッドのパラメータ設計の事例です。何が本格的かというと動特性(y=βM)であること、さらにL18直交表を使っているところです。このL18は交互作用が均等に割り振られた直交表で、交互作用の研究は行わないのです。要因効果図の最良水準で確認して結果をすぐに設計へ展開せよという田口先生の意向でつくられています。この事例の面白いところは、信号Mを射出圧力、出力yを成形体密度にしているところです。y=βMという関係が成り立つという前提(範囲)の実験ですね。