2005 年に設立された
Polymer-Chemie GmbH の金属粉末コンパウンド部門から、2010 年 8 月に独立した PolyMIM GmbH を深堀することで、この後発参入MIMフィードストックメーカーの戦略を想像してみる。
◆ターゲットは2つ、MIMメーカーとMetal AM(MEX)を利用するメーカー。MEX用材料は、(たぶん)ペレットでフィラメントではない。◆バインダーシステムは、2種類に集約。水脱脂バインダー(PolyMIM)と触媒POMバインダー(PolyPOM)。◆材種は、PolyMIM=32種、PolyPOM=32種と同じであるが中身は若干異なる(PolyPOMには、銅、超硬合金、F75が無い)。また収縮率違いが追加で存在する。【伸び尺】Low Alloy=1.1669~1.2160、SUS=1.1515~1.1669(MA)、WC=1.300、Cu=1.1570 等
【珈琲ブレイ句】勉強熱心なドイツ人の企業戦略は参考になるはずです。◆材種は、RYER社の700種を揃えるロングテール戦略とは対照的に64種+αに絞っています。◆さらにMIMシステムも二種類に絞っています。それは、水脱脂と触媒脱脂です。一次脱脂を加熱脱脂にしないことは残渣問題の点から納得できます。また、溶媒脱脂ではなく水脱脂とした理由は、環境に優しく低設備投資なので始めやすいシンプル工法であるところでしょう。水脱脂なら自作もできますからね。◆そして上級者や大量生産指向の方には、触媒脱脂の連続プラントへ移行させるという戦略でしょう。ただし、酸に反応する材料には使えないので、それは水脱脂で対応させる手段も用意しています。◆気になるMetal AM用材料ですが、対象はMEX(FPF)だけです。それは水溶性MIM材料を転用する作戦で、フィラメントではないようです。つまり、ペレットを使ったMEX方式の市場だけをターゲットにするということです。確かにフィラメントだと必要な機能(焼結体品質)以外の要求(柔軟性・湾曲率等)が積層体の機械的性質の足かせになっていると感じていたので、この戦略は納得できます。