化学成分や平均粒径、タップ密度などの明記があるが「安息角」はない。
安息角とは粉を積み上げた時に崩れない山の角度のことである。
MIMの金属粉末で,もしこの安息角がゼロのものがあったらすごいものができる。ビー玉を大量に積み上げても決して重ならないように。もし安息角がゼロならばバインダー量を今より極限まで少なくできるはずである。そうなれば収縮が最小化でき高精度MIMが実現できる。
妄想はこれくらいにして、この安息角が実際の作業で問題になることがある。それは射出成型のクッション量の設定で起こる。クッション量が小さいと安息角の影響でロックが掛かり保圧が掛からなくなる。
自己反論:安息角がゼロならバインダ量を最少化できるが、バインダを除去したときの部品形状を保持する機能はあるのか?「石積み効果」といわれているような形状保持の機能は確かに無くなる。
粉末がネッキングを始めるまでの温度域と形状保持能力の関係問題だ。2018/5/9
平均粒径6μmでタップ密度4.5g/cc、相対的に安息角が大きい粉末の臨界粉末量を求めた実験で、バインダ量を30Vol%より少なくできることがわかった。潤滑剤をバインダーに配合すれば、安息角の影響は気にしなくてよいようだ。メモ2019/10/25