2020年7月24日金曜日

充填最高密度を考える

 もしMIMフィードストックを1種類の球体粉末でつくると、充填最大密度(臨界粉末密度)は74vol%になる。バインダー量が26vol%である。次に、2種類の球状粉末の場合、その半径比が0.64のとき、充填最大密度は、少し増加し74.8vol%%になる。さらに、2種類の半径比を極端に大きくしても(0.29以上)74vol%を超えることができる。
 しかし、MIMで使用する粉末には「分布」が存在するので、こんなに単純ではない。種類をランダムにすると数値が下がり。ランダム最密充填で約64%になるそうだ。
 実際にMIM粉末にSAを添加して臨界粉末密度を測定した結果、73vol%の結果が得られた。ランダム最密充填64vol%より高くなっている、しかも充填最大密度の74vol%級に迫っている。しかし、残念ながら、市販のPOM系MIM用バインダーで同じ実験をすると65vol%にピークが下がる。それにしても、この粉末は、レベル高いですね!たぶん、この辺の設計思想と信念がしっかりしているのでしょう。 

粉末:SUS316L(アトミックス製水アトマイズ球状粉末、D50=6.05μm、比表面積0.216m2/g、タップ密度4.51g/cm3)添加:ステアリン酸


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