2020年8月7日金曜日

アンダーカット形状を形成するための技術の流れ

AMからようこそMIMへの時代の大きな流れがここにある

 アンダーカットの形成に優れている工法はAM技術(Additive Manufacturing:付加製造)である。MIM関連でいえば,MIM用粉末を利用した2種類,バインダージェット方式積層とMIMフィラメント溶融積層(FDM)である。アンダーカットがある複雑な三次元形状でも形成できる,形状の自由度は無限である。しかし,1つだけ弱点がある。それは,「表面あらさが悪い」ことである。
 積層造形であるため積層ピッチ(20200μm)の階段状表面が残る。これは,二次加工で改善はできるが工数が掛かる。一方,金型精度を転写させるMIMの場合はどうであろうか,MIMの表面あらさはRa1.52が可能である。AMMIMはこのように長所と短所があり,共存関係にある。 例えばこんな共存が考えられる。試作品はAMで造り,One-Day試作,機能評価,MIM形状設計,MIM金型製作,MIM量産。 
 このように新製品垂直立ち上げの強力な武器になる。表面あらさが必要なものは,AMで試作し,量産はMIMで造るという流れが自然であろう。なぜなら,AMの材料はMIM用の金属粉末を使うため,AM品で機能評価に合格すれば,スライド式に量産のMIMへ展開できる。

【珈琲ブレイ句】
 水溶性の消失樹脂中子に使うペレット・サンプルをもらったので成形してみました。MIMの二重成形用に開発されたものです。PMMAのように溶媒ではなく「温水」で溶かしだすので、安全であり局所排気に気を配る必要はありません。 180℃で成形したところ、とても奇麗な透明に仕上がります。強度はPPより硬い。ダイ・スウエル比が2倍もあり、金型の転写性も良好です。


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