MIMの射出成形シミュレーションとして実績のあるMoldex3Dの最新情報を加えて復習・掘り下げる(推測含む)。
《ソフト仕様》Moldex3-PIM解析ソリューション
《解析パラメータと条件》「せん断速度分布」と「粉末濃度」さらに「寸法変形」
《条件設定》射出温度、充填速度(時間)、金型温度等、さらに保圧の設定もできる。他に、材料の流動性データだけでなく熱伝導率、体積比熱、ゲート体積等を設定する(推測含む)。
《シミュレーションの合わせこみ》シミュレーション結果と実際の不良状態との合わせこみ。材料の流動性データ(せん断速度VS見掛け粘度)や熱伝導率の調整を行う、試行錯誤の世界がある(推測)。
《不良特性と解析結果》 特性:ブラックライン(Black-line:powder-binder phase separation)と呼んでいるが、解析結果を観ると「ヒケ、sink」のこと。このヒケの発生を「粉末濃度シミュレーション」で再現できる。粉末濃度が低いところが焼結するとヒケになる。
《金型方案の変更・最善化》ゲートの位置、ゲート寸法、スプール方案、製品の肉盗み等の変更を行う。
【珈琲ブレイ句】シミュレーションはプラスチック射出成形では一般的ですが、一昔前のMIM世界には、使えるものがありませんでした。粉末の添加量が多すぎてシミュレーションできなかったのです。しかし、5年ほど前からこのソフトは量産現場で使われ始め、立派に実用化されているのです、企業努力の賜物、素晴らしいことです。これで、金型方案設計の完成度を高くすること*1ができ無駄な金型修正を回避することができます。
*1 コンピュータの中で短時間にジャンジャン試作(シミュレーショ)を行い最適解(最善案)をもとめること。つまり経験ノウハウは必要です、AIは付いていません。