金属粉末3Dプリンター(Selective Laser Melting )の論文に面白いものを見つけた。積層雰囲気が窒素N2のときとアルゴンArの時では積層材の組織(microstructures)が異なる。N2雰囲気ではγ相のオーステナイト相になり、Ar雰囲気ではα相のマルテンサイト相になる。
その結果、すでにα相になっているAr雰囲気品は、そのまま時効処理で硬度を上げることができる。一方、N2雰囲気で積層したものは、溶体化処理でマルテンサイト化してから時効処理をする必要がある。
参考:Lawrence E. Murr, Edwin Martinez, Jennifer Hernandez, Shane Collins, Krista N. Amato, Sara M. Gaytan, Patrick W. Shindo:”Microstructures and Properties of 17-4 PH Stainless Steel Fabricated by Selective Laser Melting” ,Journal of Materials Research and Technology,J. Mater. Res. Technol. 2012; 1(3):167-177
【珈琲ブレイ句】この論文内容はMIMではないので、そのままMIMへ展開できるのか不明ですが・・・SUS630をAr雰囲気で焼結すれば、溶体化を省略できる可能性があるという事を示唆しているかも???。未検証です。