MIMの世界には、POM系、シングルステップ系、ワンステップ系バインダーあるいは3-STD法と呼ばれる「一次脱脂工程を省略する*1」フィードストックがある。この度、AMの金属粉末MEX(FFF、FDM)方式のDesktop Metal Studio system2 において同様の工法が採用されたシステムが登場した。このシステムでは従来からある「溶媒脱脂:一次脱脂」工程を省略し、積層体を直接焼結炉に投入することができる。
【珈琲ブレイ句】溶媒脱脂が国内導入の足かせになっていた?ので、3-STD法の採用は、この足かせが無くなり、金属粉末FDMシステム導入へのハードルは一気にさげることになります。 実は、大学の実験レベルではすでに行っていましたので、やっと市販品が登場してきたか!という感想です。「AMからようこそMIMへ」の流れには追い風ですのですばらしいことです。ただ気になる部分があります。それは用意されている材質がSUS316Lだけなのです。SUS630、SCM鋼、工具鋼などは従来通り、溶媒脱脂装置で一次脱脂する必要があります。そういえば、MIMの3-STD法の弱点は、炭素を管理する鋼には不向きな部分があるのです。このシステムにも同様の弱点があるのかもしれません。バインダージェットよりMEXが好き。がんばれ!!MEX!!応援します。
*1 「一次脱脂工程省略」とは、「工程:ステーション」の省略のことで、脱脂自体が省略できることではない。「一次脱脂(脱ワックス)&二次脱脂(脱バインダー)」は当然必要であり、これらの脱脂を焼結炉の中で行う技術。焼結炉には、強力なワックストラップが接続されている。
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