2021年4月17日土曜日

使い捨て樹脂成形型

「使い捨て樹脂成形型」とはSingle Use Polymer Mouldsの意訳である。樹脂型を「母型」として「本型のキャビティにセット」して「MIM成形」後、「樹脂型ごと取り出し」「MIM脱脂前に樹脂型を溶解除去させ」「以降MIM工程と同じ工程」の工法である。

樹脂型を使ってMIMを成形する事例は国内でも散見できる(C社、T社のマイクロ用犠牲型)。また、中子として成形樹脂中子を使うものは広くMIMで採用されている。当然樹脂型はAM3Dプリンターで形成することが可能である。

使い捨て型の樹脂としては、水溶性のPVAや溶媒可溶のPMMAなどが考えられるが、液体(溶媒)浸漬中の膨潤により成形体を損傷させる可能性がある。しかし、2019年に発表されているAddifabのリトグラフ積層用の樹脂はこの問題を解決していると報じられている。その詳細は不明であるが通常のMIMフィードストックの高温成形が可能で、自社開発の専用溶剤を使えば温度35℃で溶かすことができる。

【珈琲ブレイ句】AM3Dプリンターによる使い捨て樹脂成形型を使う目的・メリットを考えると2つ浮かぶ。1つは金型で成形できない複雑アンダーカット形状の形成ができること。2つめは試作リードタイムを短縮できること。やはり、AMとMIMは切っても切れない共存共栄技術だと痛感する次第です。・・・・ところで「型の使い捨て」は昔から行われています。それは鋳造です。砂型やロストワックス鋳型は、鋳造後に破壊します。技術は温故知新、スパイラル上昇しながら発展していくものですね

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