2021年4月25日日曜日

PIM粉末の特性と長所短所

 ジャーマン先生の本を復習する。PIM(MIM、CIM)用粉末が具備すべき代表的仕様は、「サイズは20μm未満であること」「充填密度が理論値の60%に近くあること」「粉末の凝集がないこと」「球形の等軸粉末equiaxed powderであること」である。また、表面と体積の比率(比表面積)は粒子サイズに反比例するので、粒子サイズの選定は重要である。なぜなら、微細粉末になるほど焼結は大幅に改善される反面比表面積が大きくなるため粒子間の摩擦が増加し流動性が低下し成形が難しくなるからである。 PIM粉末の特性とその長所・短所表の通りである。

参考:Injection Molding Metal &Ceramics by R.M.German,A.Bose

【珈琲ブレイ句】表3.6を観ると「やはり溶媒脱脂がいいよね」と感じますね。MIM品質を向上させるには微細粉末が必要ですが短所として「脱脂を速くできない」欠点があるからです。溶媒脱脂なら6~8時間で脱ワックスが可能です。ここでブラウン体をスポンジ構造にできれば、後の加熱脱バインダー揮散ガスの排気が容易になります。 話が変わりますが、出典元のジャーマン先生の本は1997年出版です。当時と今を比較すると大きく技術が進歩している分野があることに気が付きます。それは「水アトマイズ粉末」です。特に日本製水アトマイズ粉末は素晴らしく、球形で衛星が少なく微細で安価と三拍子そろった優れものを開発しています。一方ドイツでもユニークな製法を発明しています、それはガスと水のハイブリッド・アトマイズです。関連リンクを貼っておきます。◆ 理想的なMIM粉末の10の定義 ◆ アトミックスのアトマイズ技術を掘り下げる ◆ ガスと水のハイブリッドアトマイズ法を掘り下げる


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