米国フロリダ州スチュアートを拠点とするMetallic3D社の3DプリンターM3D300である。BMPDとは「Bound Metal Paste Deposition」のことで意訳すると、「ペースト状のバインダーで混錬した金属粉末の押出積層方式」である。DeskTopMetalのBMD(TM)「Bound Metal Deposition」は、MIMフィードストックが基本であるが、このBMPDは「ペースト状」であるところが差別化技術だ。 右のメーカーHPに動画がある。 Metalic3D
《脱脂が不要の理屈》バインダーが溶媒で希釈されており、積層直後に溶媒が揮散していくためである。従って、脱脂不要とは1次脱脂が省略できることで、焼結炉内で行う2次脱脂は必要であると推察できる。主な仕様は次の通り・・・
寸法精度: ±0.5 MM •最大部品ビルドサイズ: 280 X 280 X 325 MM •一般的な層の厚さ: 2.5MMから0.2MMまで •最大造形速度:1時間あたり1,000ML •原料押出機アセンブリ: 1〜5リットルの容器 •通常の環境温度:湿度40%で210℃ •ノズル径: 0.4MMから5.0MMまで •ノズル材料:ステンレス鋼、ニッケル被覆鋼 •印刷版:アクリルまたはカーボン(接着シートを推奨、IE ABS) •電力要件: 100-240-VAC(5 Aピーク) •外形寸法(HXDXW): 610 X 584 X 559 MM •重量: 16.3 KG 値段は$35,000
【珈琲ブレイ句】積層する材料が「ペースト状で溶媒で希釈されている」ところは確かに独創的で新しいですね。でも取り越し苦労と思うのですが心配なところがいくつかあります。ひとつは、材料は密閉容器で管理する必要があること、密閉が甘く溶媒が揮散したら、焼結収縮率が小さくなるばかりか、粘度が高くなりノズル詰まりが発生し最悪の場合積層できないということにならないのか。ふたつめは、この揮発問題対策のため、材料は「コンテナ式」で供給されるようですが?もしそうなら材料コンテナ一式の値段が高い!!なんてことにならないか心配になります。しかし、細かい心配よりメリットの方が多いでしょう。外観は可愛く安価なので、ヒットするかもしれません。手軽にMIM-Like AMを体験できる、金属粉末AMの入門機として・・・・。