2021年10月24日日曜日

Emery社のFFF用フィラメント開発の処方箋

世界的な化学屋さんのEmery社が、FFF用のフィラメント(CIM&MIM-like AM)を販売している。もちろん積層体Greenは、溶媒脱脂と加熱脱脂焼結で焼結体Silverにする。開発の処方箋が公開されているので備忘録として記載する。

FFF選定理由:他の3Dプリンターと比較して安価で操作が容易なので最も広く使われている。また、PIM(MIM&CIM)への導線としてFFF材料の入手要求が高まる。

PIMと溶融堆積モデリングのプロセス要件は大幅に異なるため、以下のプロセスの違いに対応するために3D印刷バインダーの処方を適応させる必要がある。◆Significantly lower applied pressure in 3D printing → need more flowable binder(3D印刷での適用圧力が大幅に低い→より流動性の高いバインダーが必要)◆Tool-less processing in 3D printing → need more binder consistency/hold up(3D印刷でのツール不要の処理→より多くのバインダーの一貫性/ホールドアップが必要)◆Layerwise construction in 3D printing → binder for more interlayer adhesion(3Dプリントでの積層構造→層間接着力を高めるバインダー)◆Part adhesion on 3D printer bed → binder to prevent warpage(3Dプリンターベッドへの部品の接着→反りを防ぐためのバインダー)

【珈琲ブレイ句】さすが大企業です。処方箋・目標・課題を明確化して開発しています。層間接着力を高めることを重要課題に挙げている、なんとなくEVAが多めの配合設計を示唆しているような?? そして、Emery社のHPを紐解いて嬉しく感じたことが2つ、1つめは、「AMからようこそMIMへ戦略だ」ということ。2つめは、BJTではなくFFFを選んでいること。お手軽なFFFの方が、市場が広く、沢山の方に粉末冶金を体感(味見)していただける。普及のためには知ってもらう事がスタートライン。

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